2005年7月20日
ソニー(株)が2004年5月にスタートした“VAIO 第二章”の中で、唯一それ以前から2005年春モデルまで継続されていたのが、液晶ディスプレーと本体が別々になったセパレート型デスクトップパソコン“type HX”シリーズだった。そのセパレート型が今年夏モデルでいよいよフルモデルチェンジされ、新しい“VAIO type H”シリーズとなって登場した。まったく新しい筐体に最新のコンポーネントを盛り込み、さらに非接触型ICカード“FeliCa”の読み書きを行なえる“FeliCaポート”のような新しいギミックも取り込んだ、注目の製品だ。そこで今回は特別企画として、このtype Hシリーズの企画・開発担当者にインタビューを行ない、合わせてtype H本体を分解して、その内部構造について明らかにしてみた。
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高橋映里子:type H商品企画担当。VAIO事業部門 企画部 4課 プロダクトプロデューサー |
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田吉建二:全体リーダー。VAIO事業部門 7部 4課 |
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内山義教:type Hハードウェア設計リーダー。VAIO事業部門 6部 1課 |
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中村裕二:機構設計リーダー。VAIO事業部門 5部 2課 |
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インタビューに参加いただいた開発者の方々 敬称略 |
[ASCII24] まずはtype Hの開発コンセプトからお聞かせ願えますか。以前のtype HXと比べてフォームファクターも変わりましたし、中のコンポーネントもかなり変わっていると思いますが、type HXからどういう点を変えていこうと思い、あるいは変える必要があったのでしょうか。
[高橋] まずデザインを含めた最初の商品企画コンセプトの詰め方から申しますと、以前と違ってセパレート型のほかにも液晶一体型や、ノートでも同じような機能と同じような低価格帯の製品が増えて、市場が賑やかになってきています。そこでまずは、セパレート型スリムパソコンの存在意義の見直しから始まったのが大きいですね。
その結果、スリムパソコンの良さとして再認識したのが、高機能とか新しい機能、たとえば今回のFeliCaなどがそうですが、そうしたものをいち早く入れつつも、コストパフォーマンスがいい点。また拡張性がありながら、なおかつ省スペースでレイアウトフリーな点が大事だなと。初心者の方からパソコンに熟練された方まで、どなたでも使いやすく満足していただけるというのが、スリムセパレート型の良さではないかと、見直しました。
ではどういう物を作ろうかということでデザインの話になるのですが、熟練者でも満足できるスペックだけでなく、店頭や雑誌で比較されるときの第一印象として、デザイン面で初心者や女性の方に愛されるようなデザイン、どんなところにでも置けるようなものをと考えました。最近のパソコンではtype HXのような“シャープ”な感じや、他社の製品でも“メタリック”な印象の製品が多いのですが、type Hでは完全に逆の方向にふりました。初心者や女性の方がよりVAIOに愛着を持っていただいて、「次に買い換えるときもVAIO」というロイヤル・カスタマー(優良顧客)を増やしていきたい、というのがきっかけになっています。
[ASCII24] 中身やアプリケーションは別として、確かに見た目の印象は御社の今までのVAIOとは相当に違いますね。ふと思い出しましたが、昔あった“バイオノートQR”が似たようなイメージですね。丸みがあって色も白と黒でした。
[高橋] アプローチはQRと違いますが、新しい存在感や価値観を追求しようとした部分は重なるでしょうか。一口に新しいと言っても、飛びすぎてしまうとお客様の裾野を広げたいという点につながらないので、新しい存在感を出しつつも、優しく明るい感じというのを、多くの人に受け入れられる形状や質感はなんだろう? と考えて着地したのが、この形状と質感なのです。
[ASCII24] 店頭で同じようなカテゴリーの他社製品と並んでも、一目で異質な感じを受けますね。先ほど「セパレート型の存在意義を問い直すことから始めた」とありましたが、セパレート型はもう不要ではないか、という話もあったりしたのでしょうか。
[田吉] そういう議論はなんども繰り返されています。他社も含めて、セパレートからディスプレー一体型に移り変わっているというのが実情ですので、セパレート型を継続するかどうかという議論は、過去から何度もありました。
ただファミリー層や初級者層、女性層が安心感を寄せるのは、一体型ではなくて今までの3ピースのセパレートのものが主流だというデータもありますので、セパレート型を継続する意義は十分にあると考えています。
デザイン的にも、type HXは男性的な印象がありましたが、type Hではより広いユーザー層に受け入れられるようなデザインにしています。
[ASCII24] そうですね。
[田吉] type HXのひとつ前には“バイオHS”というシリーズがありまして、こちらは白を基調とした、どちらかといえばファミリー層向けでした。このtype HXで個人向け、男性寄りのデザインだったため、ファミリー層に受け入れられなかった部分があったと思います。そこでtype Hでは、角を丸くしたり、白を基調にした親しみやすいデザインに戻しました。
[ASCII24] 家電っぽいなという印象もありますね。空気清浄機とか。
[高橋] 白物家電とか。そうですね、今までのメカメカしい感じからは一歩抜けている。違う土俵にいる色味とデザインだとは思います。
[ASCII24] 御社の製品ですと、一体型のtype Vでもホワイトカラーのモデルがありますよね。やはり黒や銀系とはユーザー層が違う傾向があるのでしょうか?
[高橋] 商品コンセプトやターゲット層はtypeごとに異なりますので、それに応じたデザインやカラーの特徴付けをしています。type Vはカラーバリエーションを持つことで、より広くユーザーに受け入れられたいという狙いもありますので、実際にカラー別でのユーザー層の傾向は違っています。
[ASCII24] ディスプレーも今回は本体に合わせてのデザインですよね。
[高橋] はい。ディスプレーも同じ質感と、ラウンドフォルムという点を統一しています。後ろからでもきれいな形をしています。
[田吉] 表面の光沢感とかR(カーブの半径)のとりかた、あとはストラクチャーとして、電源を入れると両方ともVAIOロゴが光るといった、トータル的にデザインされています。
[ASCII24] 歴代のVAIOのデスクトップの中で、一番丸い部分の多い筐体では?
[田吉] Rの数字で言うと、一番丸いですね。
[ASCII24] そういった点が、見た目での安心感といったものにつながっているのでしょうか。
[田吉] そうですね……、色も含めての話だと思うのですが、Rが大きいと優しい感じというか、ソフトな感じがあるので、それはデザイナーが当初から狙っていたところです。コンパクトに見えると思うんです。これ実は両方(type Hとtype HX)とも幅は100mmなんです。でもHの方がコンパクト感というか、薄く見えるんじゃないかと。
[ASCII24] 厚さは同じなんですか。奥行きが広くなって、高さは低くなった。
[田吉] ただ印象的にはHの方が、コンパクトに見えます。角がないですからね。
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今回のお題であるtype Hと、セパレート型の前モデルtype HXを並べて(手前右がHX)。同じカテゴリーの製品ながら、その印象はまったく異なる |
| VAIO type H VGC-H70WB7の主なスペック |
| 製品名 |
VGC-H70WB7 |
| CPU |
HTテクノロジ Pentium 4 550J-3.40GHz |
| チップセット |
Intel 915GV Express |
| メモリ(最大) |
DDR2 SDRAM(PC2-4200) 512MB(最大1GB) |
| グラフィックス |
Intel 915GV内蔵グラフィックス機能 |
| HDD |
300GB |
| 光ディスクドライブ |
DVD+R DL(2層式DVD+R)対応DVD±RW(DVD+R DL 最大4倍速/DVD±R 最大16倍速/DVD-RW 最大6倍速/DVD+RW 最大8倍速/CD-R 最大40倍速/CD-RW 最大24倍速) |
| スロット |
PCカード(TypeII)×1、メモリースティック×1、CF TypeI/II×1、xDピクチャーカード×1、SDメモリーカード/MMC×1 |
| 通信 |
10/100BASE-TX×1、56kbps(V.90)モデム |
| I/O |
USB 2.0×5、IEEE 1394×2、DVI-D出力端子、映像入力×2など |
| サイズ(W×D×H、スタンドのぞく) |
100×415×308mm |
| 重量 |
約8.9kg |
| OS |
Windows XP Home Edition SP2 |
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Contents...
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