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Sidekickは、いままでになかったサイズとデザインの携帯端末である。シャンパンゴールドのシックな色とデザインは、「スタートレック」のコミュニケーターにも似た、どこかレトロ・フューチャーな印象。本体はFOMA端末を少し大きくした程度のボリューム(116×65×28mm/150g)だが、曲線を強調したバランスの取れたフォルムによって、感覚的なサイズはかなりコンパクトである。 そして、誰もが注目するに違いないのが回転して飛び出す「液晶」部分のギミックだ。2.6インチと比較的大型のバックライト付き16階調モノクロ液晶(240×160ドット)は、OPENと書いてあるディスプレイの縁を軽く押すと「カチン」と軽快な音を立てて水平方向にスルスルと回転し、その下からQWERTY配列のキーボードが現れる。このギミックの心地よさは、Zippoライターや、Motorolaの「StarTac」を開くときの感覚に通ずるものがあるだろう。 Sidekickのキーボードには、ほどよいクリック感とキー間隔が確保されているだけでなく、周囲の明るさに反応して自動的に点灯するバックライトが装備されている。これはディスプレイのバックライトと連動しており、タクシーの中でメールを書いている最中に、急に暗いトンネルに入っても気がつかないくらいの感じで作業することができる。 さらに本体には、左右両側に液晶を閉じた状態でも使える「MENU」「JUMP」「BACK」キー、そして、押し下げ可能なホイール(ジョグダイヤル)もあり、各種メニュー操作も直感的だ。QWERTYキーボード+ゲーム機のコントローラー的ボタン配置(PlayStationのように○、×、◇が刻印されている!)+MDやマウスでお馴染みのホイールと、操作系も欲張った内容である。 独自OS+遊び心のあるソフトウェアイラストをふんだんに使ったGUIは、モノクロながら、洒落た見やすいデザインとなっており、各種アプリケーションの選択は、画面左半分に円を描くように並んだアイコンを、ホイールを回転させて選択する仕掛けとなっている。また、細かな機能を表示するための「MENU」ボタンや、前の画面に戻る「BACK」ボタンなど、操作系も明快。よく練られたインターフェイスと言えるだろう。
使っていて、ちょっと面白かったのが、ゲームの「Rock&Rocket」。一見どうということもない宇宙船ゲームのような感じだが、ミサイル攻撃を受けると携帯電話のバイブレーション機能を利用して、ゲーム機のショック・ユニットと同じ感覚が楽しめる。さらに驚いたのは、「やられた」と日本語のコメントが飛び出してきたとき。一瞬、日本語対応か? とも思ったが、しばらくゲームをやっていると何カ国語かのメッセージをランダム表示しているらしいことが分かった。このほかにもARCADEというメニューに4種類のゲームが入っている。左右のボタン配置といい、対象ユーザー層といい、ひょっとしたらゲームプラットフォームとしても期待しているのではないかと勘ぐりたくなる。 SidekickのOSは独自開発のものだが、メトロワークスの「CodeWarrior-J」やMicrosoft「Visual J++」を利用してアプリ開発を行うことも可能だそうだ。データ通信の速度は、Class 10 GPRSネットワークを使って30〜40kbps。IrDAとUSBポートを備えており、バッテリは内蔵リチウムイオンで携帯電話として4時間の通話を可能としている。 Macintosh以来のガジェット?長年Appleユーザーである筆者が、Appleの元社員が作った会社の製品で、しかもウォズも参加しているとなると、どうしても肩入れしたくなる。しかし、それを差し引いてもSidekickは、なかなか魅力的な端末ではないかと思う。Sidekickは、Danger社の「Hiptop Wireless」(尻ポケットに入る無線デバイス)と呼ばれる同社の製品群では最初の製品ということで、今後の商品も注目である(個人的には、間もなく登場するというカラーバージョンを狙っている)。
いずれにしろ、機能と実用性優先のあまり、面白い商品が出てこない最近の米国市場で、Macintosh以来の面白いガジェットが登場した感じで楽しい。
(浅井康宏/GINMAX)
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