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凧を使ったデジタルカメラ空中写真にトライ 鳥達の視点・カイトフォトグラフィー
凧を使ったデジタルカメラ空中写真にトライ

Printable Version アスキー PC Explorerアスキー PC Explorer 2002年6月号
2002年6月22日


「KAP(Kite Aerial Photography)」あるいは「カイトフォト」という言葉がある。凧を使ってカメラを空中に上げ、空中撮影を行うことだ。飛行機の発明以前からある撮影方法で、現在は実用でこそ多用されていないようだが、簡単な空撮の手段として世界中に愛好家が存在する。銀塩カメラより小型で軽量なデジタルカメラならば、より簡単に上がってくれるだろう。というわけで、なかなか面白そうなKAPの世界をデジタルカメラで実際に行ってみよう。

まずは機材を揃える

 カメラを凧から吊り下げて空から写真を撮る。言ってみれば簡単な撮影方法だが、趣味としてKAPを行っている愛好家が日本にも世界にも多数存在し、カイトフォトグラフィー協会(KAPWA:Kite Aerial photography worldwide association)/日本カイトフォトグラフィー協会(JKPA:Japan Kite Aerial photography association)というグループもある。

写真1 今回使用したカイト。パラフォイル(左)は翼面積7.5フィート(66×93cm)ある。安定用の尻尾(揚力には貢献しない)が付いていることからもわかるように弱風時の安定性がいまひとつだが、十分な揚力と畳めばポケットに入るほどの携帯性が魅力。右のDelta-Conynesはデルタカイトと三角柱型の箱型カイトが一体化した形状となっており、弱風/強風時での安定した飛行が可能。上がる角度や揚力もなかなかのもの。

 KAPを始めようとする場合、まずはなによりカメラを持ち上げることができる凧が必要だ。“凧”と呼ぶといわゆる和凧のような印象があるので、ここでは洋風に“カイト”と呼ぶことにしよう。もちろん和凧(六角凧や江戸凧やヤッコ凧)でも利用可能だが、機材を持ち上げるという目的からすれば比較的設計が新しい洋凧のほうが揚力(航空力学的な翼を持ち上げる力ではなく、凧自体が持つ積載重量と言うべきか?)があるので使いやすい。
 近年の正月の凧上げをすっかり席巻した「ゲイラカイト」(米Gayla社の商品名)のようなデルタカイトをしても、オモチャ屋で売っているような商品では少々力不足だ。小型軽量のデジタルカメラとはいえ機材を含めるとそれなりの重さ(500g〜1kg程度)があることを考えるなら、翼面積が1.5〜2m2以上は欲しいところ。

 手頃なのは「パラフォイル」と呼ばれるカイトだ。パラグライダで使われるウィング(セイル)のように硬い骨組みを持たず、気室が風を受けて膨らむことで形状を維持する。ナイロン素材のセイルとブライドル(凧の各所に結ばれた糸、和凧の糸目)だけで構成されるためコンパクトに畳めるの魅力だ。
 骨組み(木やグラスファイバー、カーボンファイバーなど)を持つタイプでも、ほとんどのカイトは棒状に畳めるので携帯は容易だ。フレーム付きカイトならば、やはりゲイラカイトのようなデルタカイトは弱い風でも安定して上がる(パラフォイルよりも弱風に強い)。とくにKAPで多用されているのはDelta-Conynesと呼ばれるタイプで、中央が三角柱型のボックスカイトになっているため強風時の安定性がいいのが特徴だ(写真1)。  これらの大きなサイズのカイトは普通のオモチャ屋ではまず売っていないが、国内でもいくつかのカイト専門店があり、多くはインターネット通販を行っているのでWebで検索してみるといいだろう。

 今回利用したカイトは、カイト専門のオンラインショップ「Into The Wind」で購入したもの(写真1、2)。パラフォイルは「Parafoil 7.5」、Delta-Conynesは「Custom DC」という製品で、いずれも価格は35ドル。サイズはParafoilが66(W)×93(D)cm、Custom DCは翼長223cm。オモチャとしてはかなりでかいシロモノだが、Webカタログを見るとこれよりも大きなサイズも販売されている。パラフォイルならば約2倍の面積を持つ「Parafoil 15」(このシリーズの数字は平方フィートで示した翼面積のようだ)や、翼長13.5フィート(4.11m)のDelta-Conynesもラインナップされており、一眼レフカメラクラスを使うならばこれくらいのサイズは必要だろう。
 もちろん風速が同じなら大型のカイトのほうが揚力も大きく重いカメラでも上がるのだが、大きなカイトは上げ降ろしにかなり力が必要な使うほか、風が強い日には引きが強すぎて少々危なくもある。いくつかのサイズを用意し、風速や撮影機材に応じてカイトを選ぶのがベストだ。

 なお、カイトが大きくなればなるほど使用するライン(糸)も丈夫なものにしなくてはならない。カイトの説明書などに記載されている耐荷重のラインを導入するようにしよう。Parafoil 7.5は80ポンド(約36kg)の耐加重ラインが、Custom DCは100ポンド(約45kg)が推奨されており、ここでは凧上げにおける定番的なダクロン(ナイロン系繊維を編み上げたもの)製で耐荷重110ポンドのものと、本来は釣り用に使われる110ポンドのダイマーニ(やはりナイロン系繊維)ラインを利用している。
 ともあれ、カイト単体で何度か上げてみて、Parafoil 7.5やCustom DCでもそれなりの風(風速5m/s程度)があれば小型〜中型のデジタルカメラを上げることができそうな手ごたえがあった。


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