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【特別企画・最新パーツ性能チェック(Vol.9)】クロックが下がっても性能アップの謎を解く!Canterwood+新Pentium 4の性能チェック!

Printable Version 2003年4月15日

 このところ、発表前の週末から商品が登場するのが慣例になっているIntelの新製品。本日正式発表のPentium 4-3GHzは、すでに月曜日に販売された後、急遽製品が回収される波乱含みの展開でのスタートとなっている。
 すでに販売ずみの各店での価格は5万円台で、3.06GHzに比べ1万円ほども安い。クロックが低いからかもしれないが、その差はわずか66MHz、FSBは533MHzから800MHzに大幅アップしているのだから、この価格設定は不思議な気持ちがする。ただ、確かにFSBの向上とクロックの低下を秤にかけたときにどうなるか、不安になる面があるのが、3.06を上回るような価格にならなかったのかもしれない。

 果たして現実の性能はどれほどなのだろうか。Intel製Canterwood(Intel 875P)マザーボードでその性能を検証した。



Intel CPU 30年の歴史で初

 今回発表された製品は2種類。FSBを800MHzにアップし、ハイパースレッディング機能を内蔵する「Pentium 4-3GHz」と、FSB 800MHzに対応するとともに、デュアルチャネルPC 3200(DDR400)をサポートする新チップセット「i875P」(通称Canterwood)である。
 過去のリリース日を見ると、Intelの新CPU登場は4月、8月、11月に集中している。今回もその例に沿った、昨年11月に3.06GHzを発表して以来の、4月のニューモデルとなる。ただ、今回特徴的なのは、最高性能の新製品として登場した製品のCPUのクロックが従来の最上位モデルより下がっていることだ。

 先日のBaniasことPentium Mも、それまでのノート用の最上位、Pentium 4-M 2.4GHzから、Pentium M-1.6GHzにクロックは下がっている(※搭載ノートPCの価格情報はこちらに掲載)。ただ、Pentium-Mはクロック当たりの性能がPentium 4よりずば抜けて高く、1.6GHz動作でも2.4GHzのPentium 4-Mを上回る性能を出すことができた。しかし、今回のPentium 4は、CPUそのものはこれまでのPentium 4と同じである。普通なら、クロックを下げたら性能が下がってしまう。Intelはこれを、800MHzのFSBとPC3200との相性(クロック周波数、転送能力が一致する)によって補ったという。CPUそのものではなく、周辺回路のスペックで最高モデルを更新するというアプローチは、Intel 30年の歴史で初めてのことだろう。

 では、FSB 800MHzというのは、本当に効果があるのだろうか。また、なぜ効果があるのだろうか。

FSB 800MHzの意味

 Pentium 4-3GHzによるPentium 4-3.06GHz“下克上”のポイントは、次のような理屈に基づいている。

1. CPUのコア自体は、毎秒96GBという高いデータ処理能力を持っている。

2. 従来の533MHzのFSBでは、CPUは外部デバイスと最高4.2GB/秒までしかデータをやりとりできない。

3. FSBを800MHzに引き上げれば、CPUは外部デバイスと最高6.4GB/秒のデータのやりとりを行なえる。

 要するに、Pentium 4-3GHzのほうが3.06GHzよりも大量のデータを外部とやりとりできるということだ。言い換えると、3.06GHz@FSB533は、3GHz@FSB800に比べ高い内部性能を持っているけれども、FSBが邪魔をするので最終的な性能では及ばない、ということでる。

 CPU外部とわずかな量のデータしかやりとりしないケースであれば、コアが高速な3.06GHz版のほうが有利になることになるが、実際にはFSBの高速化はCPUからチップセットに命令が伝わる速度(時間)や、あるいはチップセットが受け取ったデータをCPUに渡す速度を速める(遅延の短縮)効果もある。FSB400からFSB533に上がったときには、FSB性能はメモリーに対して十分すぎるほど高かった(つまり、FSBが足を引っ張ってはいなかった)にもかかわらず、実際の性能は数%向上したのがよい例だ。これらを勘案すると、3GHzが3.06GHzに負けるのは、よほど外部メモリとのアクセスが少ない場合だけだ。 


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