【T指令のパーツで遊ぼう!! No.11】お待ちかね、Pentium Dより高性能なCore 2 Duoを試す!(後編)
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2006年8月19日
前編では“Core 2 Duo”の基本的な性能を検証行なったので、後編では「Core 2 Duo E6300」のオーバークロック耐性をチェックしよう。マザーボードは、GIGABYTEとASUSTeK製の2種類を用意して準備は万端だ。さらに、今回はUMAX製DDR2-800メモリ「Castor LoDDR2-1G-800」のオーバークロック耐性もいっしょに検証した。
“Core 2 Duo”のオーバークロック耐性をチェック!
いよいよ、私が3度の飯より大好きなオーバークロック耐性の検証をスタートだ。「Core 2 Duo E6300」は、266MHz×7倍の1.86GHzが定格動作クロックになる。倍率が7倍と低いので、高クロック動作を目指す場合は、CPUの耐性以外にもマザーボードのFSB耐性が重要になってくる。なぜなら、倍率が低いと同じクロックでの動作でも、FSBの動作クロックが変わってくるからだ。「Core 2 Duo E6300」のように倍率が7倍だと、3GHzでの動作を目指した場合、マザーボードのFSBを429MHzに設定する必要がある。つい最近まで、200MHzや100MHzが普通だったことを考えると、とんでもないクロックだ。というわけで、オーバークロック用のマザーボードは2種類で実験することにした。1枚は前編でも使用したGigabyte製「GA-965P-DS3」を使用。2枚目には“Core 2”シリーズに対応の“i975X”を搭載するASUSTeK製「P5W DH Deluxe」をチョイスした。
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“i975X”チップセットを搭載する“Core 2”シリーズに対応したASUSTeK製マザー「P5W DH Deluxe」を検証パーツに追加 |
まずは、「GA-965P-DS3」と純正クーラーの組み合わせで耐性チェックをスタートだ。FSBの設定は付属ソフトの「EASY TUNE5」を使用してWindows上から変更できるので、メモリ周りのみBIOSから設定した。メモリはFSBを上げても定格動作の範囲内になるよう、FSBとメモリが“1:1”の動作になるように設定。OS起動後に、まずは上位モデルの「Core 2 Duo E6400」と同じ動作クロックの2130MHzになるよう、「EASY TUNE5」でFSBを305MHzに設定して“GO”ボタンをクリックした。そして待つこと数秒で「CPU-Z」に表示される動作クロックが変わった。試しに「Superπ」の104万桁演算を5回実行したが問題なく完走した。
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CPU温度だけでなく、オーバークロックの設定も可能なGigabyteのユーティリティ「EASYTUNE5」。それにしても、266MHzから305MHzまで1MHzずつボタンを押してクロックを上げていくのは面倒だ。これはぜひ、直接数字入力できるようにしてほしい |
それにしても、倍率が7倍だとFSBを定格のプラス39MHzに設定しても動作クロックは270MHzしか上がらないのでちょっとつまらない。そこで、思い切ってFSBを一気に340MHzにして340MHz×7倍=2380MHzにチャレンジだ。ちょっと上げすぎな気もするが、“Core 2 Duo”はインテルが気合を入れて作ったCPUなだけに期待してしまう。結果は「Superπ」の104万桁演算は完走するが、「3D Mark 06」の実行中にOSが再起動してしまった。「いきなり限界か?」と思いつつも、BIOSでコア電圧を1.5Vに設定して再度挑戦だ。しかし、症状は変わらず……。やはり、ここが耐性の限界なのだろうか。
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検証に使用したCPUは前編と同じ「Core 2 Duo E6300」。クロックは1.86GHzでL2キャッシュを2MB搭載する。S-SPECは“SL9SA”だ |
何事も諦めずにチェック!
先ほどの結果では諦めきれず、「CPU-Z」で動作クロックやメモリクロックを確認していると、なんと怪しい点を発見した。「CPU-Z」で表示される“CAS Latency”(キャスレイテンシ/以下CL)の項目が“CL3”になっていたのだ。「CL3じゃ途中で落ちて当然だ」と原因が判明して笑顔になる。“CL”とは、メモリにデータの読み書きが行われるまでにかかる遅延時間のことで、この値が小さいほど高速になる。DDR2メモリは、DDR2-533動作で“CL4”となり、DDR2-667なら“CL4〜CL5”の製品が多く売られている。
実は、FSBを340MHzに設定した時は「EASY TUNE5」で1MHzずつFSBを変更するのが面倒だったので、BIOSからFSBを設定していた。どうも、“FSB:メモリ”の動作比を“1:1”の設定にして、FSBを手動設定すると“CL3”の動作になるようだ。G.Skill製の「DDR2 667 512MB」でも試したが、手動でFSBを270MHzに変更すると同じ様に“CL3”での動作となった。通常なら、BIOSから手動で“CL”を設定すれば済む話なのだが、困ったことに今回使用したマザー「GA-965P-DS3」は、手動で“CL”を変更する項目がないのだ!(BIOSのバージョンは“F3”)
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GIGABYTE「GA-965P-DS3」でFSBとメモリ動作クロックをBIOSから手動設定にすると、キャスレテンシの設定がCL3になる |
幸いなことに、今回使用しているUMAX製のメモリ「Castor LoDDR2-1G-800」は、オーバークロック耐性が高そうなので、メモリ動作比を“4:5”へ設定変更する。これで、FSBが340MHz動作時でも“CL5”で動作するはずだ。だが、メモリの動作クロックは、425MHz(DDR2-850)動作になるので、定格プラス25MHz動作だ。さすがに定格電圧の動作では心配だったため、メモリは定格電圧のプラス0.1Vに設定した。(次ページに続く)
| テスト環境 |
| CPU |
インテル「Core 2 Duo E6300」(1.86GHz) 「Pentium D 945」(3.4GHz) |
| メモリ |
UMAX「Castor LoDDR2-1G-800」×2 |
| マザーボード |
GIGABYTE「GA-965P-DS3」 ASUSTeK「P5W DH Deluxe」 |
| ビデオカード |
玄人志向「GF73200GT-E128H/EX」(PCI Express x16) |
| HDD |
Seagate「ST3160812AS」(160GB SerialATA) |
| 光学ドライブ |
東芝「SD-M1612」 |
| 電源 |
ANTEC「TRUEPOWER2.0 550W」 |
| OS |
Microsoft「Windows XP Professional SP2」 |
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メモリセッティング完了。再チャレンジ開始!
どうにか問題が解決したので、さっそく340MHz×7倍=2380MHzのチェックを再開だ。コア電圧も定格に戻して「3D Mark 06」を実行するとすんなり完走。「やったね!」と思わず小踊りしてしまう。さらに、FSBを360MHzに設定して、360MHz×7倍=2520MHzに挑戦だ。さすが“Core 2 Duo”!すんなりOSが起動し、「Superπ」104万桁、「3D Mark 06」も完走だ。ちなみに、2520MHz動作で高負荷時の消費電力とCPU温度を計測したが、消費電力は143Wで、CPU温度は50〜52℃となった。「凄いぞ“Core 2 duo”」と心底うれしくなる。「Castor LoDDR2-1G-800」の動作クロックも、DDR2-900(450MHz)となかなかの高耐性を発揮している。
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Gigabyte製マザー「GA-965P-DS3」で検証中のマシンの様子 |
“Core 2 duo”の性能を目の当たりにした私は、ここで暴走モードに突入。FSBをさらに20MHzアップの380MHzに設定してスイッチオン。さすがに定格電圧の1.35Vではそろそろ限界だろうと思っていたのだが、すんなりOSの起動が完了。380MHz×7倍=2660MHzで「Superπ」104万桁、「3D Mark 06」、「午後のこ〜だ」の“耐久テスト10分”と続けて実行したが、スムーズに完走した。正直ここまで来ると、倍率の低さが非常に悔やまれる。もしもこれが倍率8倍の「Core 2 Duo E6400」なら、すでに360MHz×8倍の2880MHで、3GHzも目前なのだが……。続行するか、マザーボードを変更するか、ちょっと悩んだ末に続行を決断。FSBを390MHzに設定し、2730MHzで起動だ。すんなり起動するかと思いきや、マシン起動後にOSがフリーズした。CPUのコア電圧を変えても同様なので、メモリクロックを“1:1”に設定して、DDR2-800(400MHz)動作に落としてみるとOSが起動。さすがに“CL”の設定が“3”なのでベンチは完走しないが、メモリの動作クロックさえ下げれば、まだCPUのオーバークロックはできそうだ。
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UMAX製メモリ「Castor LoDDR2-1G-800」。DDR2-960(480MHz)で動作し、なかなかの高耐性を発揮。ノーブランドのメモリに比べると5000円近く割高となるが、買っても損はしないはずだ |
CPUの耐性もなかなかよいが、UMAX製「Castor LoDDR2-1G-800」のオーバークロック耐性もよい。メモリの“CL”など、詳細設定の項目がないGigabyte製マザー「GA-965P-DS3」では、自動で“CL5-7-7-20”と低速設定になるが、DDR2-960(480MHz)で動作した点はポイントが高い。同メモリの価格は1万4000円台なので、ノーブランドのメモリに比べると5000円近く割高となるが、買っても損はしないはずだ。
マザーボードをチェンジして更なる高みを目指す!
Gigabyteマザーではメモリの設定で限界を感じたため、今度はBIOSで細かい設定が可能なオーバークロックマザーボードの本命、ASUSTeK製「P5W DH Deluxe」で検証してみよう。サクっとGigabyte製「GA-965P-DS3」から交換して、「Core 2 Duo E6300」の限界チェックを再開だ。
「P5W DH Deluxe」は、“CL”などのメモリ設定がBIOSから可能なので、高いFSBでも確実に動作する“CL5”に設定。メモリの動作クロックは“1:1”に設定。これで、FSBを400MHzにしてもメモリは、DDR2-800(400MHz)動作になる。まずは、FSBを390MHz×7倍=2730MHzでマシンを起動。すると、OSは順調に起動したので「Superπ」の104万桁を実行すると、ついに“20秒”で完走した。「もう少しで10秒台に突入!」とウキウキしてくる。もちろん、「3D Mark 06」も問題なしだ。いったいどこまで上がるのだろうか……。
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「Superπ」の104万桁演算がなんと20秒で終了! |
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「Superπ」に変わって使用者増えている「Super PI mod1.5 XS」の“1M”なら、20秒を切ることもあった |
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さて、いよいよ定格動作クロックの1860MHzにプラス1000MHzした410MHz×7倍=2870MHzに挑戦してみよう。設定後BIOSは起動したが、OS起動後にフリーズ。「やっと限界か?」と思いCPUのコア電圧をプラス0.1Vして1.45V設定に変更。今度はOSは起動したが、「Superπ」104万桁の実行中にまたもやフリーズ。CPUの動作限界というよりも、マザーボード側のFSB限界のような気がする。試しにBIOSの“FSB Termination Voltage”をプラス0.2Vの1.3Vに設定し、“MCH Chipset Voltage”もプラス0.05Vの1.3Vに電圧アップさせた。さらに、「P5W DH Deluxe」は、ファンレス仕様なのでチップセット周りを冷却するために9cmファンを設置して冷却を強化した。
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ASUSTeK製マザー「P5W DH Deluxe」はファンレス仕様なので、チップセット周りを冷却するために9cmファンを設置して冷却を強化した |
すると、「Superπ」104万桁、「午後のこ〜だ」の“耐久テスト10分”は完走できた。だが、「3D Mark 06」であえなく再起動となった。CPUの耐性限界の可能性は低いと思われたが、念のためCPUの電圧を定格動作電圧よりプラス0.15Vの1.5Vに設定。しかし、「3D Mark 06」はエラーが発生して最後まで完走できなかった。どうやら、マザーボード側のFSB耐性限界のようだ。そこで、FSBを1MHzずつ下げてベンチを実行していくと、406MHzに設定した動作クロック2842MHzの状態で各種ベンチが問題なく完走できた。CPUの耐性限界ではないが、「P5W DH Deluxe」を使用したオーバークロックは、406MHz×7倍の2842MHzが限界となった。(次ページへ続く)
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FSB406MHz、動作クロック2842MHz時の「CPU-Z」のステータス |
オーバークロックの成果は?
動作クロック2842MHz時のベンチ結果は、「Superπ」の104万桁演算が20秒と、T指令憧れの10秒台には届かなかったが、定格クロックに比べ9秒の短縮となった。そして、もっとも効果が現れたのがエンコード関連だ。もちろんマザーボードは違うが、設定やエンコードに使用するファイルは前編と同じだ。「Windows Media Encoder 9」を使用して、1280×720ドット(2分11秒)のファイルをDVD品質の640×480ドットに変換した結果は214秒で、定格クロックに比べ104秒も短縮した。さらに「iTunes 6」を使用して。23分(5曲)のWAVEファイルをMP3(ビットレート192kbps)へ変換した結果は25秒となり、定格クロックよりも14秒速くなった。ここまで高速になるとうれしくなり、自然と笑みがこぼれてくる。
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「Superπ」とエンコード時間のグラフ。「Superπ」は定格クロックに比べ9秒の短縮。エンコードではそれ以上の効果が現れた |
T指令がもっとも興味のある3D関連は、悲しいことにあまりスコアが変わらなかった。「3D Mark 06」で“2266”と、定格クロックから“135”のスコアアップだ。もしかしたら、使用しているビデオカードの性能が足を引っ張っているかもしれないと考え、急遽“GeForce 7800 GTX”を用意。定格クロックの1830MHzと、オーバークロックの2842MHz動作時で「3D Mark 06」を計測した。定格動作時“4686”で、2842MHz動作時は“5001”となり、その差は“314”となった。CPUの動作クロックが1GHz違っても「3D Mark 06」のスコアアップは“100〜300”程度になるようだ。エンコードや「Superπ」の性能アップと比べると、ちょっと物足りない結果だ。
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2.84GHz動作時の3Dベンチ結果。残念ながら、定格動作時と比べてあまりスコアが変わらなかった |
消費電力は、ASUSTeK製マザー「P5W DH Deluxe」で定格クロックの1830MHz動作と2842MHz動作時で計測した結果を比較すると、オーバークロック状態のアイドル時で125Wとなり、定格クロックに比べ10Wアップした。高負荷時は147Wで定格と比べ17Wアップした結果に。どうも、「P5W DH Deluxe」は、Gigabyte製マザー「GA-965P-DS3」と比べオンボードデバイスが豊富な分、消費電力が高くなるようだ。また、消費電力が上がったことでCPUの発熱量が増加することを考えていたが、高負荷時でも定格クロック時とほとんど変わらない、50℃前後のCPU温度となったのは驚きだ。もちろん、オーバークロック時のCPUコア電圧が、定格電圧の1.35Vなのも発熱量に影響しているだろう。
マザーボードのFSB耐性が今後の鍵を握る!
「Core2 Duo E6300」のオーバークロック耐性には大満足。耐性が高く3GHz超えが多くのウェブサイトで報告されている「Core 2 Duo E6600」もおもしろそうだが、2万円半ばの価格で2.8GHzを楽々クリアする「Core 2 Duo E6300」もなかなかよい耐性だ。あとは、マザーボードのFSB耐性さえクリアできれば3GHz越えも可能だろう。「情報を集めて再チャレンジ!」と3GHzを目指して気合いを入れる。
また、今回のオーバークロック検証では、純正クーラーの冷却で十分だったので、手持ちのCPUクーラー達は活躍の場がなかった。実際、低発熱なノート用などのモバイルCPUならオーバークロックしてもファンレス動作させるのは比較的簡単だが、デスクトップ用CPUでオーバークロックしながら、ファンレスを手軽に行なえそうなのは“Core 2”シリーズくらいのように思う。
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「Core2 Duo E6300」のオーバークロック耐性には大満足。今回の検証では純正クーラーの冷却で十分だった。マザーボードのFSB耐性さえクリアできれば3GHz越えも可能だろう |
ただ、オーバークロックは全ての環境で動作する保証はないので注意して欲しい。とくに、マザーボードのFSB耐性は、製造ロットなどにより変わるので要注意。マザーボードのFSB耐性が心配なら「Core 2 Duo E6400」や「Core 2 Duo E6600」など倍率が高い製品で、オーバークロックをした方が安全だろう。とはいえ、この辺のギャンブル感がオーバークロックの楽しみともいえる。
●結論:マザーボードのFSB耐性限界に阻まれたが、オーバークロック耐性は期待できる。発熱や消費電力も低いので、いろいろ楽しめるCPUだ。
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