【オーバークロック研究室】Athlon XP 1700+をオーバークロッキング(後半)
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2003年3月23日
今回は前半にひき続き、Athlon XP 1700+を使ったオーバークロック性能を検証する。メモリクロックとCPU内部クロックの倍率設定を操作し、どこまでパフォーマンスを求めることができるだろうか?
●Athlon XP 1700+のオーバークロック・パフォーマンス
【表3】オーバークロック動作テストにおけるそれぞれの設定値表
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テスト1 |
テスト2 |
テスト3 |
テスト4 |
テスト5 |
| FSB(MHz) |
133 |
140 |
157 |
173 |
196 |
| CPU内部クロック・レシオ |
×11 |
×15 |
×13 |
×12 |
×11 |
| CPU内部クロック(MHz) |
1463 |
2100 |
2041 |
2076 |
2156 |
| モデルナンバーBIOS表示 |
1700+ |
2600+ |
2400+ |
2600+ |
2600+ |
| Memory(DDR:MHz) |
333 |
350 |
392 |
414 |
392 |
| メモリクロック・レシオ(FSB設定:メモリクロック) |
4:5 |
4:5 |
4:5 |
5:6 |
4:4 |
| Row Active delay |
6 |
6 |
7 |
7 |
7 |
| RAS to CAS delay |
2 |
3 |
3 |
3 |
3 |
| Row Precharge delay |
2 |
3 |
3 |
3 |
3 |
| CAS Latency time |
2 |
2 |
2.5 |
2.5 |
2.5 |
| CPUコア電圧(V) |
1.850 |
1.850 |
1.850 |
1.850 |
1.850 |
| メモリ電圧(V) |
2.6 |
2.6 |
2.6 |
2.6 |
2.7 |
| AGP電圧(V) |
1.5 |
1.5 |
1.5 |
1.5 |
1.8 |
| CHIP SET電圧(V) |
1.6 |
1.6 |
1.6 |
1.6 |
1.7 |
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先のテストでこのCPUの最高動作周波数は、実クロックにおいて2.2GHzまでと判明した。それでは、このクロックマージンを利用して、最もパフォーマンスが得られるセッティングを模索してみよう。操作するパラメータは、メモリクロックとCPU内部クロックの倍率設定である。なお、コア電圧は、NF7-Sで可能な最高電圧となる1.85Vをセットする。ただ、その前に基準値となるAthlon XP 1700+本来のパフォーマンスを「テスト1」としてチェックしておいた。FSB設定クロックは、133MHzでCPU内部クロックの倍率設定をデフォルト(11倍)にセット。一方、メモリクロックは規定の333MHzでドライブするために5/4倍をセットしたが、先ほどの耐性テストから一転して可能な限りタイミングを詰めてみた。パラメーターは、「CAS Latency time:2、Row Precharge delay:2、RAS to CAS delay:2、Row Active delay:6」と言った具合だ(どこかでオーバークロックしないと気が済まない)。
いつものように、システムのパフォーマンスを数値化及び比較するためベンチマークテストを使用する。今回、用意したベンチマークテストのメニューは、Superπの104万桁、3DMark2001SE(Build330)、3DMark03、PCMark2002、FINAL FANTASY XI Official BenchMark、N-BENCH Ver2.0と多彩だ。中でも、3DMark03とFINAL FANTASY XI Official BenchMarkは、本コラムでは初めてである。N-BENCHに至ってはVer2.0にバージョンアップされてから初めて試すベンチマークテストだ。
なお、基準値となる規定クロックにおけるベンチマークテストの結果やオーバークロックセッティングで得られたテスト結果は、次ページにグラフ化しておいたので参考にしてほしい。
さて、冒頭でも指摘したが、このCPUのL1ブリッジが全てクローズになっていることから、CPU内部クロック倍率の操作が可能になっているハズである。「テスト2」としては、NF7-S(マザーボード)のCPU内部クロック倍率操作機能を用いて15倍速をセットして試してみることにした。逆算すると、FSB設定クロックを140MHzにセットすればCPUの実クロックは、2.1GHzを要求することになる。なお、この時のメモリセッティングは、先の規定クロックテスト時と同じ条件で試してみた(メモリクロックは計算値DDR350MHzとなる)。起動段階では、BIOS画面に「Athlon XP 2600+」と表示され、15倍速のオーバークロック動作が確認されるとともにWindows XPのディスクトップも難なく表示された。ところが、Superπの計算途中でエラーが表示されプログラムが中断されてしまう事態に。CPUの内部クロックについては、もう少し余裕があるハズ。やはり、このメモリに対するアクセスタイミングが厳しいのかも知れない。そこで設定を少々緩和させて(具体的なパラメーター値は表3参照)再度、計算を実行したところ、今度は無難に計算を完了した。続けて実施した各ベンチマークテストでもスコアーが残せた。
次に「テスト3」、「テスト4」のセッティングを順次試してみた。「テスト3」では、CPU内部クロック倍率を13倍速に、「テスト4」では12倍速にそれぞれセットしてベンチマークテストのスコアーを記録している。ただ、この時点よりメモリアクセスタイミングのパラメーターは、モジュールのデフォルト値をセットしている。と言うのも、CPU内部クロック倍率を下げてこのCPUを最大限に活用するとなると、必然的にFSB設定クロックと一緒にメモリクロックも高くなり、「テスト2」でセットしていたパラメーターでは、ついてこられなかったからだ。さらに「テスト4」では、FSB:メモリクロックを4:5の状態(DDR433MHz)でドライブしてみたが、3DMark03でエラーとなってしまった。そこでメモリクロックレシオを5:6にシフトしてDDR414MHzとしてみたところ、全てのベンチマークテストが完了できた。
そして、記録上は最後になるが「テスト5」を試した。このテストでは、CPU内部クロック倍率はデフォルトの11倍、メモリクロックレシオはFSB設定クロックとシンクロにセットした結果だ。ただし、メモリ電圧、AGP電圧、CHIP SET電圧の全ての項目でチョイス可能な最高電圧を選んでいる。これもやはり、先ほどのセッティング条件では、Superπや3DMark03で演算エラーが出てしまったからである。
●ベンチマーク結果とまとめ
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【図3】Superπ104万桁 |
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【図4】3DMark2001SE(Build330) |
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【図5】3DMark03 |
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【図6】PCMark2002 |
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【図7】FINAL FANTASY XI Official BenchMark |
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【図8】N-BENCH Ver2.0 |
テストでは、前述以外の設定も試している。その中でいくつか気になった点を述べておこう。まず、CPU内部クロック倍率についてであるが、FSB設定クロックやメモリクロックを規定以内に納めた条件で11倍速より低い10.5倍速や10倍速にあえてシフトした場合、システムが不安定になった。例えば、BIOSセットアップから10倍速にセットしてみたところ再起動の時点から起動困難となり、「ピーポーピーポー」とエラーの連続音が発せられた。また、10.5倍速だとAthlon XP 1600+を表示してポストしてきたものの「ブートはするがWindowsの起動は失敗してしまう」と言ったありさまだ。これは、CPUまたはマザーボードあるいは、その両方に何らかの理由があるものと考えられるが、現時点ではハッキリしない。もしも、これらの倍率で動作した場合のパフォーマンスは、どのようにグラフを変化させるのだろうか。つまり、このCPUの上限付近で動作させるとなると10倍速ならFSB設定クロックは、200MHzを超えてくる。そうなれば、チップセットのスペック上限にも到達する訳で、本システムの最大性能を発揮したパフォーマンスと言えるからだ。
なお、総合的な印象として「思った以上の好結果を得られた」と言って良いだろう。コストパフォーマンスは抜群であり、安定感も十分に感じられた。ただ、CPU内部クロック倍率が操作可能であるにも関わらず、デフォルトの11倍速以下の設定で動作できなかった条件下において、ベスト・パフォーマンスが11倍速設定で得られたのは、メモリの耐性も関係するとは言え、皮肉としか言いようがない。最後にメモリのセッティングは、非同期より同期にして、より高クロックでドライブする条件がパフォーマンスを得られるツボのようだ。
◎注意
メーカーが定めた周波数以上の動作は、CPUやメモリを含めてその他の関連機器を破損したり、寿命を縮める可能性があります。また、各電圧を高く設定する場合においても同様のリスクがあり、それらの結果によるいかなる損害についても、筆者およびAkiba2GO!編集部、製造メーカー、販売店はその責を負いません。オーバークロック設定・改造・BIOSの書き替え等は自己の責任において行って下さい。なお、この記事中の内容は筆者の環境でテストした結果であり、記事中の結果を筆者およびAkiba2GO!編集部が保証するものではありません。この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできませんので、あらかじめご了承ください。
【筆者プロフィール】鈴池 和久氏。オーバークロック歴は1995年登場のTritonチップセットの頃から。マザーボードの回路解析やハンダごてを使ってオーバークロック改造を施すのが得意。1998年出版の「パソコン改造スーパーテクニック」を初めPC改造に関する著書を複数執筆。現在は当ページのオーバークロック研究室コラム記事を執筆中。ハンドル名は「KAZ’」。1957年生まれ大阪府在住。
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