【オーバークロック研究室】Athlon XPでオーバークロック(後編)〜Athlon XP 1500+は2000+で動作するか?〜
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2001年12月9日
前編では、Athlon XP 1500+のL1ブリッジを結線し、倍率操作が可能かどうか確かめた。その結果はマザーボードの倍率設定パラメータ通りに操作可能となり、「改造したAthlon XP 1500+はどこまでオーバークロックできるのか」という課題を残すのみとなった。今回は、その改造Athlon XP 1500+を使ったオーバークロックテストのレポートを中心にお届けする。なお、前編のレポートで既に登場しているEPoX製のVIA Apollo KT266A搭載マザー「EP-8KHA+」を本文のはじめに紹介しておこう。
●VIA Apollo KT266Aを搭載したEPoX製「EP-8KHA+」
こちらのレポートでもお伝えしている通り、EPoX製「EP-8KHA+」はチップセットにKT266のメモリ周りを改善したVIA Apollo KT266Aを搭載、EP-8KHAのマイナーチェンジ版とも言うべき新製品だ。その特徴としてAthlon XPプロセッサをサポートしている点は言うまでもないが、ことオーバークロック機能に関して言及すると、CPU Host Clockジャンパを除いてFSB設定クロック、コア電圧、メモリ電圧などの設定はBIOSから操作が可能となっている。しかもそれぞれのパラメータ範囲はかなり細かくなっている。
さらに、改造したAthlon XP 1500+をオーバークロックする上で必須となるCPU倍率操作機能が装備されている点は、筆者だけでなくL1クローズのAthlonをオーバークロックするユーザーにとって嬉しい項目の一つであることに間違いはない。また、CPUソケット周辺を見るとケミコンなどの実装位置が比較的整備されたレイアウトになっている。
■コア電圧を上げたときのBIOS画面には13倍でも2000+
さて、かつてのKT266のパフォーマンスを上回るとされるKT266Aの実力も気になるところだが、EP-8KHA+にL1ブリッジを改造したAthlon XP 1500+を実装した場合のオーバークロック結果を先に述べておこう。
前編ではCPU倍率を10.5倍速にセットして無難に起動したところまでをお伝えしているが、このときのコア電圧はデフォルトの1.75VでFSB設定クロックもデフォルトの133MHzをセットした条件で動作させている。テストはその条件を維持しながら順次倍率を高く設定し、12倍速のAthlon XP 1900+となる実クロック1.6GHzでWindows Meを起動させた。さらにベンチマークテストの代用としてSuperπの104万桁を計算させCPUの動作具合をチェックしたところ無事計算を終え、パワーオンから安定した動きを見せた。ちなみに各倍率で計算させた結果は表に示した通り。苦労の甲斐あって現在市販されているAthlon XP 1900+のパフォーマンスをAthlon XP 1500+のコストで得られた計算になる。さらに倍率を高くセットして動作するなら、まだ市販されていないAthlon XPプロセッサの性能を先取りする性能となるのだが、前編で予告した画像の詳細をここで報告しよう。
【表1】Athlon XP 1500+の各倍率におけるSuperπ計算結果
| モデルナンバー換算 |
倍率 |
Superπ104万桁(秒) |
| Athlon XP 1500+ |
10 |
85 |
| Athlon XP 1600+ |
10.5 |
83 |
| Athlon XP 1700+ |
11 |
80 |
| Athlon XP 1800+ |
11.5 |
78 |
| Athlon XP 1900+ |
12 |
76 |
|
12倍速で安定動作を見せたシステムを再起動させ、BIOSセットアップからCPU倍率を更に高い12.5倍速にセットした。前編でも指摘している通り、最新のBIOSにおいても12倍速の次は13倍速となっており、Athlon XP 2000+(仮名)として起動させる12.5倍速の設定はスキップされてしまう。加えて13倍速からは14倍速、15倍速というステップ内容になっている。
とにかく、理屈は抜きにして13倍速をセットすると、どういった動きを見せるのかようすをうかがうことにした。まさに13倍速で起動するならAthlon XP 2000+を超えて衝撃的なクロックで動作することになる。リセット後、いとも簡単にPOSTが進行した。ところがモニターに映し出されたBIOS画面ではAthlon XP 2000+と表示され、実クロックにおいては1666MHz(133×12.5)の数値が並んでいる。原因追求は宿題として、そのままWindows Meの起動を試みた。しかし世の中はそんなに甘くはない。結局、ログイン画面に行き着くことなくシステムが無反応となり「Athlon XP 2000+としての起動には失敗」という結果を残した。そこで最後の手段とばかりに、BIOSセットアップからコア電圧に対し0.05Vアップとなる1.80Vを設定。念のためにメモリ電圧を0.4Vアップさせ、再度Windows Meの起動を確かめたところ、今度はかろうじてデスクトップ画面にたどり着いた。ただ、その直後に実施したSuperπの計算では、計算開始と同時にエラーが告げられて一度目のループすら計算を完了できないありさまである。
せいぜいWCPUIDの計測結果が画像に納められた程度で、とても安定しているとは言い難い状況であった。CPU倍率を14倍にセットした場合にどういった反応を示すか調べてみたところ、13倍速どころかデフォルトの10倍速で起動する結果となり、その上の15倍速であっても同じであったことを報告しておこう。
●改造したAthlon XP 1500+のオーバークロック・パフォーマンス
先のテスト結果からこのAthlon XP 1500+は実クロックにして1.66GHzに達する以前に動作限界を迎えると断定した。ではさらに処理速度を重視する方向性でオーバークロックを試してみる。
具体的には、CPU倍率を優先させるのではなくFSB設定クロックを高くしてメモリあるいはマザーボードの動作限界を探り、そのクロックに応じたCPU倍率をCPUの動作限界以内で決定すれば、結果的に最高のパフォーマンスを得られる算段だ。
実際のテストでは、先ほどから活躍しているEP-8KHA+に加えて宿敵のライバル・チップセットとも言うべきAMD761を搭載したEP-8K7AにもAthlon XP 1500+を組み付けてベンチマークを競わせた。なお、テストに際して両方のマザーボードにCrucial Technology製(Micronチップ PC2100 CL=2.5 128MB)のDDRメモリを1枚使用。ただし、メモリに対するセッティングはやや厳しくセットした(セッティング詳細は表を参照)。そのためかCPU倍率を10倍速とした動作環境では双方のマザーボードで155MHz(FSB設定クロック)までに動作限界を迎えた。
そこで先のCPU動作限界とFSB設定クロックの限界から安定動作のため概ね3%のマージン(3%と言う数値に根拠はなく筆者の単なるカン)をとると1616MHz対150MHzとなりCPUの最適倍率は近似値の10.5倍速と決定した。ちなみにCPU倍率を10.5倍速としたベンチマークテストではFSB設定クロックを150MHzから1MHzのステップアップで試し全てのテストが完了できた最高クロック時の結果を記録している。結果は次のページに示した通りで、最新のVIA Apollo KT266Aを搭載したEP-8KHA+は、FSB設定クロック155MHzで動作したEP-8K7Aに比較して3MHz下回る152MHzが最高動作クロックであった。さらに同じFSB設定クロック152MHzにおけるベンチマーク結果を考察すると、グラフィック系ベンチマークテストで若干EP-8K7Aを上回るものの、Superπでは3秒の遅れが目立つ結果となっている。改造を施したAthlon XP 1500+を使ってCPU倍率を操作しながらここまでのテストを実施してきたが、Athlon XP 1900+と肩を並べる勢いがあると判明したことは貴重なデータと言えるだろう。
【表2】ベンチマークテストのセッティング内容
| CPU |
Athlon XP 1500+ |
| メモリ |
PC2100 CL=2.5 128MB (Crucial Technology) |
| ビデオ |
ELSA GLADIAC ULTRA(GeForce2Ultra DDR64MB) |
| HDD |
Seagate Barracuda ATA IV 60GB |
| ヒートシンク |
Swiftech MC462-A |
| OS |
WindowsMe |
| DirectX |
Ver.8.1 |
| ドライバー |
Ver4.13.01.2280 |
| 解像度 |
1024×768ドット/32bitカラー |
| マザーボード |
EPoX EP-8KHA+ |
EPoX EP-8K7A |
| BIOSリビジョン |
10/17/2001(8khi1a17) |
10/17/2001(8k7a1a17) |
| SDRAM Cycle Length |
2T |
− |
| Bank Interleave |
Disabled |
− |
| SDRAM Prechrg to Act CMD |
2T |
− |
| SDRAM Act to Prechrg CMD |
6T |
− |
| SDRAM Active to CMD |
2T |
− |
| SDRAM Burst Length |
4 |
− |
| SDRAM Queue Depth |
4Level |
− |
| SDRAM Drive Strenght |
AUTO |
− |
| SDRAM Command Rate |
1T |
− |
| DCLK I Timing |
0ns |
− |
| DCLK O Timing |
0ns |
− |
| Fast R-W Turn Around |
Disabled |
− |
| Continuous DRAM Request |
Disabled |
− |
| SDRAM PH Limit |
− |
8 |
| SDRAM Idle Limit |
− |
8 |
| SDRAM Trc Timing |
− |
6 |
| SDRAM Trp Timing |
− |
2 |
| SDRAM Tras Timing |
− |
4 |
| SDRAM CAS Latency |
− |
2 |
| SDRAM Trcd Timing |
− |
2 |
| Super Bypass Mode |
− |
Enabled |
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■ベンチマーク結果
Superπ
3D Mark2001
N-Bench
◎注意
メーカーが定めた周波数以上の動作は、CPUやメモリを含めてその他の関連機器を破損したり、寿命を縮める可能性があります。また、各電圧を高く設定する場合においても同様のリスクがあり、それらの結果によるいかなる損害についても、筆者およびデジタルバイヤー編集部、製造メーカー、販売店はその責を負いません。オーバークロック設定・改造・BIOSの書き替え等は自己の責任において行って下さい。なお、この記事中の内容は筆者の環境でテストした結果であり、記事中の結果を筆者およびデジタルバイヤー編集部が保証するものではありません。この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできませんので、あらかじめご了承ください。
【筆者プロフィール】鈴池 和久氏。オーバークロック歴は1995年登場のTritonチップセットの頃から。マザーボードの回路解析やハンダごてを使ってオーバークロック改造を施すのが得意。1998年出版の「パソコン改造スーパーテクニック」を初めPC改造に関する著書を複数執筆。現在は当ページのオーバークロック研究室コラム記事を執筆中。ハンドル名は「KAZ’」。1957年生まれ大阪府在住。
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