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【最新パーツ性能チェック(Vol.28)】いよいよFSB1GHzオーバーへ!DDR2がフルに生きるPentium 4 Extreme Edition-3.46GHzの性能は?


2004年11月4日

 6月のLGA775ショックとともに登場した新世代メモリ“DDR2”は、533MHzでの動作が可能だ。しかし、CPUのFSBが800MHzのままであるため、ベンチマークを取ってもDDR2化によるメリットは残念ながらあまり大きくはなかった。そんな中、DDR2の力をフルに引き出す1066MHz FSBのCPUが、ついに登場した。まずはフラッグシップのPentium 4 Extreme Editionでの採用となる。


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0.13μmの最速クロック更新

 11月2日に正式発表されたPentium 4 Extreme Edition(以下Pentium 4 EE)-3.46GHzは、従来3.4GHzまでだったPentium 4 EEシリーズの新たな最高速モデル。周波数が66MHz引き上げられたうえ、FSBが1066MHzにアップしている点が性能向上のポイントだ。これまでのPentium 4 EE同様0.13μmプロセスで製造され、コアもGallatin(Northwood+3次キャッシュ2MB)のまま。したがって2次キャッシュは512KBだ。パッケージはLGA775のみとなっている。
 0.13μmの製品としては、NorthwoodのPentium 4-3.4GHzが今年2月3日に到達した最高クロック、3.4GHzを約9ヵ月ぶりに更新した。気になる消費電力は110.7W(TDP)で、Prescott Pentium 4-3.4/3.6GHzの115Wよりは少ないし、Pentium 4 EEの3.4GHz版の109.6Wと比べても微増で済んでいる。3.4/3.6GHz対応のLGA775マザーになら問題なく装着できるはずだ。

パッケージ
Pentium 4 Extreme Edition-3.46GHzのパッケージ。エンジニアリングサンプルのため、本来の刻印ではない。見た目は他のLGA775版CPUと変わらない。
CPUの仕様
CPUZによるCPUの仕様。CPUID F25は初代Extreme Editionと同じ。ファミリー2は0.13μmのNorthwoodコアの系列を示す。Bus Speed(FSB)が1066MHzに、Level 3キャッシュが2048KBになっているのに注目。

 インテルによるOEM価格は11万820円で、Pentium 4 EE-3.4GHz(LGA775版)の11万4200円よりわずかに安いが、これは為替相場の影響で、米ドルべースではどちらも999ドルなので、「同価格でより高性能な製品で最上位を置き換えた」と見るのが妥当だ。
 また、既存のチップセットはFSB 800MHzまでしか対応していないため、今回のCPUとともに1066MHz対応の新チップセット“Intel 925XE Express”チップセットがアナウンスされた。インテル自身による搭載マザーボード「D925XECV2」「D925XEBC2」のほか、ASUSTeKも「P5AD2-E Premium」を発表、一部製品はすでに秋葉原の店頭に並んでいる

「D925XECV2」
Intelの“i925XE”チップセット搭載マザー「D925XECV2」。ATXフォームファクタ。South BridgeはRAID対応のICH6R、IEEE1394も標準装備している。


2倍の価格に見合う性能は出るか

 さて、Pentium 4 EEシリーズはこれまで「メインストリームのPentium 4の最上位と同クロックで、3次キャッシュ装備によるさらなる性能アップ」をウリに、メインストリームの2倍以上の価格を付けてきたが、今回については、最上位のPentium 4 560は3.6GHz動作であり、クロックで言えばこれよりは133MHz遅い。そのビハインドを、3次キャッシュと1066MHzのFSBでどれくらい補い、プラスにまで持って行けるのかがまずは注目される。
 もう一つは、FSBが1066MHz化することで得られるメモリ性能の実質的な強化だ。従来のPentium 4の800MHzのFSBは毎秒6.4GBのデータしか読み書きできない。DDR 400/デュアルチャネルの最高性能は毎秒6.4GBだからこれでもまあよかったが、DDR2-533をデュアルで使うと、その性能は毎秒8.5GBに達する。せっかくのこの性能が、FSBにクリッピングされてしまう。そのためベンチマーク結果を見ても、925プラットフォームにおけるDDR400とDDR2-533の性能差はあまり大きくない。
 FSBが1066MHzになると、FSBの帯域はDDR2-533にジャストフィットの8.5GB/秒に上がる。これにより、CPUのコアの性能をより大きく引き出せるようになる。実際、初めてFSB 800MHzを達成したPentium 4-3.0CGHzは、FSB 533MHzのPentium 4-3.06GHzよりもはるかに高速だった、という実績もある。



 というわけで、まずメモリ性能を測定したのがグラフ1である。見てのとおり、FSB 800時には超えられなかった5GB/秒の壁をラクラク超え、約5.5GB/秒という性能を実現している。ただ、性能向上率は12.5%にとどまり、クロックの上昇率(33%)に比べるとやや少ないのは気がかりだが、性能向上には大きな援軍だ。

Sandra 2004 Memory
グラフ1 Sandra 2004 Memory

 グラフ2〜7は、インテルの“i925XE”マザーボード「D925XECV2」上で、Pentium 4 EE-3.46GHzとPentium 4 550(3.4GHz)とで3D性能がどれほど違うかを計測したものだ。ビデオカードがPCI Expressベースなので、ここではAthlon 64陣営とは対決できないのはご容赦いただきたい。ビデオカードにはATIのRADEON X700 Pro(256MB)を使用、メモリはDDR2-533MHzを512MB装着した。
 3.46GHzのスピードは圧倒的だ。3DMark 03のように、GPU性能だけにほぼ依存するようなソフトで差が少ないものの、他のテストでは7〜14%ほども高いスコアが出ている。Commanche 4に至っては35%も高速だ。CPUが1グレード上がっても3D系のベンチマークでは2〜3%上がればいい方なので、これだけの大差がつけば、今回計測できなかったPentium 4の最上位、560を使っても追いつける可能性はほぼない。

グラフ2 Final Fantasy XI ver.2
グラフ3 Commanche 4
グラフ4 3DMark 2001SE
グラフ5 3DMark 03
グラフ6 Unreal Tournament 2003
グラフ7 Unreal Tournament 2004

 一方で、CPUパフォーマンスを問われる処理では必ずしも結果は思わしくない。CineBench 2003のレンダリングでは飛び抜けた値を出したものの、Windows Media VideoではPentium 4 560(3.6GHz)に惜敗、TMPGEnc 3、DGCAβ9においてはPentium 4 550(3.4GHz)にも大きくリードを許している。Prescottコアでは2次キャッシュが1MBに拡大しているほか、SSE3をサポートしているので、それらと相性のいいテストの場合、Gallatin(Northwood+3次キャッシュ2MB)コアのPentium 4 EEは不利になる。

グラフ8 Cinebench 2003
グラフ9 TMPGEnc 3
グラフ10 Windows Media Video 9
グラフ11 DGCAβ9


DDR2が陽の目を見るのはいつか?

 初代Pentium 4 EEは、メインストリームの最上位Pentium 4に3次キャッシュがプラスされた=何をしてもPentium 4より高速なプロセッサだったが、現行のPentium 4 EE-3.4GHz、および今回の3.46GHzは、コアとクロックの関係で必ずしもすべてに最速ではなくなっている。これは、プレミア価格のエクストリームエディションにとっては危機的な状況だが、3.46GHzは、こと3Dゲームについて言えばFSB 1066の効果で非常に優秀な成績を収めており、ヘビーゲーマー向けには確かに「エクストリーム」なCPUたり得ているといえる。残る課題は、Athlon 64プラットフォームとの性能差だ。PCI ExpressのAthlon 64用チップセットが“K8T890”、“NForce4”と発表が相次いでいる。入手でき次第、この点についてもレポートしたい。

 なお、今回“i925XE”がFSB 1066MHzをサポートしたことで、次はPentium 4 EEではない、普通のPentium 4がいつFSB 1066MHz化を達成するかが注目されるが、現状、入手可能なあらゆる情報が、2005年末までメインストリームのPentium4のFSBは800MHzのままという点で一致している。Pentium 4 EEというシリーズを今後も明確なメリットとともに維持し続けるというIntelの強い意志の現われということなのかもしれないが、DDR2-533MHzの価格も下がってきたおり、個人的にはDDR2の性能をフルに生かせるFSB 1066MHz化に、ぜひスケジュール前倒しで取り組んでほしいものだ。

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(アスキープラス編集部 野口岳郎)




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