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【最新パーツ性能チェック(Vol.24)】AMD史上最高の2.4GHzを達成!Athlon 64 FX-53で見えてきた事実とは?


2004年3月26日

 元祖エンスージアスト向けCPU“Athlon 64FX”。昨年9月24日にアスロン64シリーズの親分として733ドル(9万1625円)という高価格で販売され、標準CPUとサーバー用CPUの間に来る新しいプロダクトゾーンを提案した。その後、インテルがまさかの対抗馬、Pentium 4 Extreme Edition 3.2GHzをリリースしたうえ2月には、上位モデルの3.4GHz版を投入。エンスー向けの元祖、FXのほうは少し間が空いてしまったが、3月19日にいよいよ第二弾となるFX53をリリース、秋葉原でもすでに予約受け付けが始まっている


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錯綜するハイエンド

 1月のAthlon 64-3400+でAMDが一歩リードした最速CPU争いだが、2月のPrescottコア、およびNorthwoodとExtreme Editionに3.4GHz版の登場で事態が錯綜してきた。Vol.23で述べたように、Prescottコアは1次、2次キャッシュを大幅に増大して性能向上が期待されたが、レイテンシが増大したために、結果的には多くのテストでNorthwoodコアと同程度の性能となっている。
 そのため、インテル陣営の最速選手はPentium 4-3.4GHzのExtreme Editionとなった。それに対してのAMDの解答が、今回のFX-53ということになる。まずは、ここまでの両者の性能、価格、ラインナップ上の位置づけについてまとめておこう。

-価格帯P4Athlon
別格最上位(両者未発売)3.4EEFX-53
別格8万(FX)、10万(EE)3.2EEFX-51
最上位4万5000円前後3.4E、3.43400+
上位3万円前後3.2E、3.23200+
お手頃2万5000円前後3E、33000+

 前回(Vol.23)はNorthwoodとPrescottの性能差について検証したので、今回は、新たに入手したPentium 4-3.4EGHz(Prescott)の計測結果も含め、両社のハイエンド製品の特徴を明らかにしていく。

さすがFX、なるほどEE

 まず注目は、FX53と3.4EEの対決だ。3Dでは両者のワンツーが多く、エンスージアストゲーマー向けCPUという触れ込みを確認した形だ。具体的には3DMark 2001・3DMark 2003CPU・Commanche・Final Fantaxy XI・Unreal TournamentでFX53がトップ、3DMark 03・QuakeIII・x2 rollingで3.4EEがトップ。本コーナーでのベンチではFX53のほうが勝ちが少し多いが、この差では勝敗は微妙なところ。
 一方、動画エンコードにおいては、今回からテストに採用しているTMPGEncの最新版「3」は、チューニングの結果なのか、メインメモリー性能に大きく影響されるようになり、P4系の圧勝となった。特にSSE3対応の効果は大きく、3.4E、3.2EがTMPGEncではワンツーフィニッシュとなっている。Windows Media Videoによる圧縮でもP4系が大きくリード。こちらはExtreme Editionが最速となった。いずれもAthlon 64FXは5位にも入れない。

 同じエンコードでも、Windows Media Audioでの音声圧縮や、汎用高性能可逆圧縮ソフトDGCAでの圧縮時間はAthlon系が圧倒的に早い。トップはFX53、次はFX51と3400+という図式で、P4系は3位、4位以下に下がる。
 CPUの演算性能のテストでは、一番純粋なSuperπでAthlon 64FX53/51がトップをさらって強さを見せたが、マルチスレッドでのテスト項目を含むPCMark 04ではP4系が上位を独占。CG作成テストのCinebenchでは、レンダリングはP4、シェーディングはAthlonという結果だ。

 エンコードはビデオならP4、それ以外ならAthlon。CPUパワーベンチは用途によって勝ったり負けたり。こうなってくると、○○ならアスロン、△△ならP4みたいな切り分けも困難なのが実情だ。ともあれ、アスロン64の中ではFXが、P4の中では(TMPGEnc 3を除けば)EEが、最高性能を発揮しているのは確かだ。

3DMark 01の結果。従来はAMDリードなテストだが、P4もEEは強い。トップはFX。
3DMark 03の結果。P4が強いテストだ。トップは3.4EE、次いで3.4Eが入った。
3DMark 03のCPUテスト。これもP4勢が強いが、FXは一矢報い、FX53でトップに立った。A64は弱い。
Final Fantasy XI ver.2。伝統的にAthlonが強いテスト。3.4EEをもってしてもA64-3200+に届かない。P4-3.4EEの高解像度は未計測。
Unreal Tournament 2003。P4はEEだけは若干健闘しているが、他は低調。全体にA64系、特にFXの強さが際だつ。
Commanche 4。昔はP4が強かったが、A64登場以後はA64の独擅場。ただ、P4EEは例外的に強い。
QuakeIII Arena Demo。P4の牙城的なテストだったが、FXはP4EEについで上位に食い込んだ。
x2 rolling。3.4EEが強く、FXがぱっとしない。A64-3200+が健闘しており、データはないが3400+はかなり健闘しそう。その意味では両社拮抗か。
PCMark 04。マルチスレッド対応テストが増えたこともあり、P4系が大きくリード。FX-53のCPUテストは動作しなかった。
CineBench 2003。レンダリングはP4、特にExtreme Editionに強く、シェーディングはFXが強い。A64はどちらもふるわず。
TMPGEnc 3によるMPEG2ファイル作成テスト。P4系が圧倒的に強く、特にPrescottは高精度モードで差を広げる。FXはまだ食い下がっているがA64は大差で敗退。
Windows Media Encoderでwmvファイル作成テスト。従来からP4が強いが、SSE3には対応していない。ここではP4EEが強い。
Windows Media Encoderで可逆の音声圧縮。これはAthlon系が優秀で、トップはFX53。
Superπによるπ106万桁の計算時間。FXが突出した強さ。
DGCAβ9での音声ファイルの圧縮テスト。これもAthlonが優秀。


ソケット939登場で64はどうなるか?

 FX vs EEはいい勝負だが、全体を見ていてやや不振気味なのがアスロン64シリーズだ。3D系では依然、P4-3.2GHzやP4-3.2EGHzに対して優位な結果を残してはいるものの、3DMark 03ではメインスコア、CPUともにP4-3.2GHzに破れているほか、Cinebenchでもレンダリング、シェーディングともに低調だ。さらに、TMPGEnc 3になってからは、2.5時代には互角の戦いだったPentium 4勢に比べ、半分ほどの速度になってしまっている。さらに、従来はP4-3.2GHzをリードしていたWindows Media AudioやDGCA、Superπといったテストでは、プレスコットコアのP4-3.2EGHzがスコアを伸ばし、ほぼ肩を並べるか、僅差まで詰め寄られている。P4-3.2GHzとの比較では明らかに高速と言えたが、P4-3.2EGHzとの比較では、動画エンコードの大きなビハインドを考えると、逆転されたとも言われかねない。

 そこで注目されるのが、今年前半に登場するとされる次世代コア、Newcastleだ。噂ではこの製品は

1. ソケット939に対応、デュアルチャンネルメモリインターフェイスを持つ
2. FSBに相当するハイパートランスポートの周波数が1GHz(データ転送レートはピンあたり2Gbit/秒、CPUとしては上り下りで8GB/秒)に引き上げられる
3. 2次キャッシュは512KBに削減される

と言われている。このうち最も注目されるのは、1のデュアルチャネルの効果なのだが、その意義については、2チャンネルのAthlon 64FXと1チャンネルの現行Athlon 64のスコアを見比べることで、かなり確かな予想が可能になるはずだ。

 テストのうち、FXがノーマル64より大きくスコアを伸ばしているのは、3DMark 03のCPU、CineBenchのシェーディング、およびTMPGEncとWindows Media Videoだ。また、Windows Media Audio、DGCA、Superπでも明らかな性能向上が見える──見てのとおり、これはアスロン64がP4に対して不利になっている、あるいはなりつつあるテスト項目群と見事に一致している。プレスコット登場で「+」の意味があやしくなってきたアスロン64も、デュアルチャネル化することでもう一段の飛躍が期待できそうだ。

(アスキープラス編集部 野口岳郎)




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