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【最新パーツ性能チェック(Vol.22)】いよいよプレスコット登場(PART1)!注目の性能とSSE3効果を速攻チェック!

Printable Version 2004年2月3日

Prescottの予想外の性能

 以前、Vol.16でPentium 4 Extreme Editionのレポートをしたときに、「もうじきキャッシュ倍増で大幅に性能アップするPrescottが出てくるので、ターゲットにできる市場は大きくない」とコメントしたのは、過去においてキャッシュ増量が実際に大きな性能アップをもたらしてきたからだ。たとえばAthlon XPでは、AMDは同クロックのThoroughbredコア(2次キャッシュ256MB)とBartonコア(同512KB)とで、モデルナンバーを200または300アップしているし、各種ベンチマーク結果を総合すると、そのナンバリングはおおむね妥当だったからだ。今回Prescottでは2次キャッシュを倍増させただけでなく、より性能にクリティカルに直結する、1次キャッシュのサイズまで(データキャッシュだけだが)アップしている。控えめに見積もっても、300MHz分くらい上がってしかるべき、という予想はこうして出てくるわけだ。

3.2GHz版Prescott。写真はエンジニアリングサンプルのため正規の刻印はない
3.2GHz版Prescott。写真はエンジニアリングサンプルのため正規の刻印はない。見た目はP4そっくりだが、ヒートスプレッダが若干厚めになっている。

 今回借用できたのはPentium 4-3.2EGHzなので、これをNorthwoodのPentium 4-3.2GHzと比較していくことにする。
 まずは、Sandra 2004から。CPU内のキャッシュにあらかた入ってしまうような小さなベンチマークは、キャッシュ容量の増減とは無関係に、クロックに比例した値の向上を見せるものだ。ところが、計測してみた結果は想像を絶するものだった。なんと、Prescottのほうが8〜14%も遅い。
 いったい何が起きているのか。これまでPrescottについては、機能強化の話はあったが、Pentium 4の基本的な構造に手が加えられるという話は出ていなかったが、この結果は、明らかに何らかのアーキテクチャ上の変更がなされたことを窺わせる。  まっさきに思いついた可能性は、キャッシュのサイズを大きくしたために、従来のレイテンシではメモリアクセスができなくなり、レイテンシを増やした、というものだ。Pentium 4は、非常に高速なコアクロックを誇るにもかかわらず、1次キャッシュにわずか2クロックという短いレイテンシでアクセスできるのが高性能の一つの秘訣だった(Athlon XPやOpteronは3クロック)。ここに1クロックでもレイテンシが増えていたなら、2クロックでアクセスが可能な同クロックのPentium 4より遅くなっても仕方がない。2クロックが3クロックになったら、インパクトは50%だ。



Sandra2004の結果。CPUコアだけの性能評価といえる。Prescottの弱点が一番よく見えるが、実際のPCの利用シーンでは考えにくい
3DMark 03の結果
Unreal Tournament 2003の結果
Commanche 4の結果
Windows Media Encoderでの動画・音声の圧縮結果。単位は秒、短い方が高速
Final Fantasy Xi ver.2の結果
DGCAβ9でのファイル圧縮の結果。単位は秒、短い方が高速

 もう一つの可能性は、パイプラインがさらに細分化され、分岐予測ミス時のペナルティが増えた、というものだ。これも同クロックでパイプライン段数が少ないプロセッサに対しては性能が落ちる要因になる。
 そこで、CPUZによってキャッシュのレイテンシを見てみると、Prescottの1次キャッシュのレイテンシは、予想をもう一段上回る、4クロックに延長されていた。2次キャッシュについても、従来の19クロックに対しPrescottは28クロックを要している。これでは、ほとんど1次・2次キャッシュだけがアクセス対象となる小さなベンチマークでは、性能が落ちて当たり前である。

 ともあれインテルはレイテンシを増やしてでもキャッシュ容量を増やしたわけだから、その効果が実際のアプリケーションで見えるのかどうか、テストした。
 全体に、差は思った以上に僅差だ。一部、小さめのエンコードテストでは、1MBのキャッシュの効果が大きいのか、Prescottが圧倒的に早いものがあるが、多くのテストでは接戦での勝ち負けになっている。圧倒的に強い項目の存在を考えると、トータルではPrescottのほうが優秀であり、なんとか巨大キャッシュ搭載の面目を保ったといえる。


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