【最新パーツ性能チェック(Vol.18) 】驚異の新星「SiS655TX」のパフォーマンスをいち早く探る!
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2003年12月10日
サードパーティラッシュの年末
6月にFSB 800MHz版Pentium 4発売になったものの、デュアルチャネルの対応チップセットはながらくIntel875/865の2機種に限られていた。ところが、年末にかけて、サードパーティチップセットが続々と登場してくる。10月に、デュアルチャネルでは実績のあったSiS655に800MHz対応を施した「SiS655FX」、これまでは存在感の薄かったATIによる初のデュアルチャネル対応チップセット「RADEON 9100IGP」を搭載したマザーボードが市場をにぎわせ、先日はVIAが「PT880」をリリース、年末にはインテル含め4社5種類のデュアルチャネルチップセットが揃う事態になっていた。
その渦中へ、早くもSiSの高速版チップセット「SiS655TX」が姿を現わす。この製品は、表向きのスペックはSiS655FXと何も変わらない。つまり、
●デュアルDDR400対応
●AGP 8X対応
●ハイパースレッディング対応
●1GB/秒のMUTIOL-1Gインターフェイスでサウスブリッジ「SiS964」と接続
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「Advanced」なHSE(Hyper Streaming Engine)が特徴のSiS655TX。メモリコントローラとCPU、チップセット間の能力を高めたという。 |
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SiSでは初めてシリアルATAに対応した964チップがサウスブリッジに。USBも8ポートに増えた(ただし本機では6ポートまで) |
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といった点は共通である。唯一の違いは、655TXに「Advanced Hyper Streaming Engine」(AHSE)なるものが採用された点である。ちなみに655FXにはAdvancedでない、HSEが搭載されている。
HSEは、複数のデバイスとのデータの送受信を、同時に、かつ効率的に行なえる機構だという。同社のデモフラッシュによれば、従来はLAN、HDD、キーボード、オーディオなど各種デバイスからの信号は順番に処理されるため、入力が立て込んだ場合には、たとえばオーディオやキーボードの入力がCPUにわたるまでに長時間待たされるような事態が発生するという。HSEは、1GB/秒のデータ転送能力を持つMUTIOLの力を生かし、複数の仮想的な「チャネル」を設けて、複数のデバイスからのデータを同時に(現実には短時間ごとに切り替えて)送信することで、すべての処理にスムーズに対応できる、といった内容だ。
AHSEは、HSEの機能に加え、CPU、チップセット、メモリコントローラ間の転送レートを高速化することによって、システム全体の性能をさらに引き上げることができるという。よくわからないが、メモリ関係の内部処理を高速化するという部分は、イメージ的にはi875のPATを思わせる。
期待できるお値段
今回評価機としたのは、GIGABYTEが12月中にも出荷開始予定の“GA-8S655TX ULTRA”。ATXフォームファクタで、サウスブリッジは当然SiS964。シリアルATA RAIDと8ポートのUSBをサポートする最新チップだ。
本機には背面に4つのUSBポートがあるほか、標準添付のブラケットで2つのUSBポート、および2つのIEEE1394ポートを引き出すことができる。また、スロットのエッジを一つ使う形になるが、SPDIFおよびRCAジャックによる光オーディオ出力と、リア・サブウーファコネクタが提供される。
LANは964内蔵の100BASE-Tは使わず、別途RealtekのRTL8110Sチップを搭載してギガビットイーサをサポートしている。また、964による2つのシリアルATAポートに加え、おなじみGIGA RAIDチップ(ITE社IT8212F)によるATA133のRAID機能も備え、IDEポートは計4つになる。また、黄色いCPUのリテンションが示すように、このマザーはPrescottにも対応している。
価格のほうは出てみないとわからないが、同社のSiS655FXマザー「GA-8S655FX-L」が、ギガビットイーサはないとはいえ、初登場時に1万円以下で登場している。編集部で入手したSiSのロードマップを見る限り、655TXは655FXに遅れて登場し、しばらく併存した後655TXに置き換わるように描かれており、Intelの875のようなプレミアムモデルではなさそうであり、となれば、価格的には1万円ちょっと程度で収まりそうだ。性能的にIntel865程度あれば、まずまずお買い得と言えそうだ。
衝撃のテスト結果が出た
というわけで、さっそくベンチマークテストを行なってみた。前回のPT880マザーのときと条件は統一した。Pentium 4-3GHzに、GeForceFX 5900Ultraボードを使い、メモリのタイミングはいわゆる8-3-3-3にマニュアルでセットしている。ただし、このマザーではCMD Rateの設定欄がないため、この値がどうなっているかは不明である。
まずチップセットの性能を最も左右するメモリの読み書きだが、なんとこれがIntel865はおろか、Intel875まで大きくしのぐ画期的な数値である。比率で言えば、875より4%、865と比べれば8%も速い。AIDA32では差はさらに広がり、読み出しで8〜17%、書き込みで14%ほど高速である。
当然、実アプリの性能も高い。3D系ベンチマークでは、3DMark2001で対875で1%、対865で3%。Comancheでは順に1.5、4%。Final Fantasyでは両者に3.8%のリードを得た。メモリ性能の高さが素直に反映されていると言える。
一方エンコード処理では、TMPGEncで6〜7%と大きなリードを保ったが、このテストでは前回、メモリ性能が振るわなかったPT880が例外的に健闘しており、おそらく性能のキーはIDEのドライバ、あるいはNorth-South間のパフォーマンスによるものと思われる。結果としてはPT880とタイである。よくチューンされていて、メモリ性能があまり反映されないWindows Media VideoではIntel875とタイ止まりである。
“性能ならSiS”の時代!?
いくつかのタイはあるが、なんとここに上げた全項目でSIS655TXがトップを飾っていることは見逃せない。過去のSiSチップセットは、安価だが性能はまあそこそこ、というものがほとんどだった。MUTIOLやHSEといったテクノロジが予想させる画期的な高性能を実現できていたかというと疑問符がつく。
SiS655TXは、そんなSiSチップセットのイメージを根本から覆す、驚くべきパフォーマンスを誇る。評価対象のチップセット(Intel、VIA)がメーカー純正マザーであり、あまりアグレッシブな設定になっていない可能性が高いとか、上述したように、メモリ性能に大きな影響を与えるCMD Rateの値がわからないとか、あるいはギガバイトのチューンがしっかりしているといった事情は考えられるが、それにしても、メモリの性能を見る限り、655TXの性能は特筆すべき高さにある。2004年は、性能で選ぶならSiS、という時代の始まりかもしれない(アスキープラス編集部 野口岳郎)
(アスキープラス編集部 野口岳郎)
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