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帰ってきた!「買う買う団」
知的好奇心をガツンと刺激!ロボットはこんなにおもしろい!!

Printable Version 2001年6月19日

筆者:井上猛雄

買う買う団員プロフィール
井上猛雄
女優・永作博美さんのためなら死ねると断言するデジタルバイヤー編集部デスク。いわく「永作博美はわが永遠の女神」。本誌の特集やコラムを取りまとめつつ、Akiba2GO!“Akiba発アイドル情報局”担当のK副編やYデスクがイベントやインタビューに行くのを見ては「俺も行きたいなー」とこぼしている。最近、だんだんと言うことを聞かなくなってきている身体に年齢を感じることしきりで、疲れを癒すためどこか遠くへ行きたいとか。


 まだ私が純真無垢な学生であった頃のこと――時代は'80年のはじめぐらいまで遡るけれど、“メカトロニクス”という言葉が流行したことがあった。ご存知のとおり、機械(メカ)と電子技術(エレクトロニクス)の融合という意味合いの造語だが、その当時メカトロ二クスの代表といえばロボットだった。

 しかしそれは、現在巷で話題になっている「AIBO」や「ASIMO」のような高度な知的ロボットではなく、2本足でギコギコと頼りなく歩くロボット(義足)の原型だった。それでも、もうすぐ鉄腕アトム(例えが古すぎ!)みたいなロボットが登場する日がやって来るのでは? なんて、胸をわくわくさせられたものだ。

 実は、こんなことを言うと怒られてしまいそうだが、私はもともとPC自体にはあまり興味がないほうだ。どちらかというと、PCを使って機械を動かしたりするほうが好きなのだ。
 現在のマイクロコンピュータは複雑になりすぎて、パイプラインだとか、分岐予測だとか、素人では理解できないくらい進化してしまった。そういう進化の早い流れのなかで、誰もがコンピュータのことについて、簡単に、そしてダイレクトに理解できるようなことはないのかなー? と考えていたのだけれど、昨今のロボットブームもあって「やっぱりこれしかないでしょ」と思っていたのだ。

 

5軸アームロボットで童心に帰る!

MR-999
ロボットアーム「MR-999」とリモコン

 そこで今回、この「帰ってきた!買う買う団」を執筆するにあたり私が購入したものは、5軸ロボットアームのキット「MR-999」。このキットは、福岡にあるイーケイジャパンという会社から発売されているもの。秋葉原を徘徊しているときにツクモロボット館でたまたま目にとまって、ハッと我に返ったときには、すでに両手に抱えていたというシロモノだ。

 なんだかオモチャみたい! とか言って侮ることなかれ。けっこう精巧なロボットアームで、子供はもちろんのこと、大人でも知的好奇心を大いに満足させてくれる教育キットなのだ。さまざまなパーツ類を組み合わせて“その複合体となる機械がどのように動いていくのか?”という力学から、センシング技術、電子的な制御の仕組み、プログラミングの応用まで、自分でひとつひとつ確認しながら楽しく学べるのがすごくいい。価格は5500円だが、もし同じモノを金属フレームでつくるとしたら、メカ部品だけでも1万円以上は十分かかるだろう。そういうことを考えればずいぶんと安いのではないかと思う。

 さて、ここで本題となるロボットキットアームの簡単な紹介をしておこう。ロボットアーム自体の仕様は以下のとおりだ。



5軸ロボットアーム「MR-999」の仕様
駆動モータDCモータ×5
最大負荷電流600mA(モータ1個あたり)
各パーツの可動範囲ベースの旋回:350°
肩の曲がり:120°
ひじの曲がり:135°
手首の回転:340°
ハンドの広がり:最大50mm
ロボット動作範囲最大旋回半径360mm
最大高さ510mm
制御方法付属リモコンでDCモータをON/OFF制御
ギヤユニット
ギヤユニット。キットにはギヤの潤滑油まで付いてくる。とても親切

 まずはメカ部の説明から。メカは土台となるベース部、肩、第一関節、第二関節、手首、グリップ部で構成されているが、マニュアルどおりに組み立てていけば、だいたい半日ぐらいで完成できるだろう。ベース部の旋回、肩の回転部は比較的大きなトルクが必要なので、パワーユニット(ギアボックス)と、さらにギアを使って減速させている。



ハンド部のラック&ピ二オン機構
ハンド部のラック&ピ二オン機構

 指の部分の開閉はラック&ピニオンギアを組み合わせ、モータの回転運動を直線運動に変換する。機構部は平行クランクを利用しているので、メカの仕組みがよくわかって勉強になる。なお、それぞれの間接部には電球が付いていて、間接が動くとその電球が点灯するようになっている。アーム部・本体はスケルトンのプラスチック製。電球が光ると、なんだかとても綺麗だ。

 駆動系の動力源にはDCモータを利用している。このロボットキットでは、付属のリモコンスイッチを手動でON/OFFして、アームの正転と反転をコントロールする仕組みだ。



4つの操作モードを選択できる専用ソフト

「MOBOT-LAB」
インターフェイスボードとCD-ROMがセットになった「MOBOT-LAB」。価格は1万6000円

 ただし、これだけだと単なるリモートコントロールなので、あまり面白いとは言えない。そこで、今回、ロボットアームをPCに接続して制御するためのキット「MOBOT-LAB」を買おう…と思ったのだが、探した限りではどこにも売っていない。そこでやや裏技気味ではあるけれども、購入を前提にしてイーケイジャパンさんからお借りすることにした。
 このキットは、PCとロボットアームを接続するためのインターフェイスボード、センサ、CD-ROM、COMポートの変換コネクタなどから成り、価格は1万6000円。ロボットアームだけでなく、同社の「WAO」という、マイクロマウスみたいな小型ロボットのプログラミングもできるようになっている。



光センサユニット
キットには光センサユニットも2台付いている

 ということで、さっそくPCに接続してみることに。とりあえず手元に使えるPCがなかったので、編集部の某氏からhpのノートPCを借りてきた。まず、PCの背面にあるCOMポートとインターフェイスボードを付属ケーブルで接続し、そこからさらにロボットアームのコネクタに中継する。センサも付いているので、これもボードと接続する。PCにソフトをインストールしたあと、COMポートの設定をすれば前準備は終了だ。

ケーブルで接続
PCとインターフェイスボード、ロボットアームをケーブルで接続する
制御中
PCからロボットを制御しているところ。電球が光っているので、動いている部分がわかる
キーダイレクトモード
「キーダイレクトモード」。画面上からも駆動部のモータを制御できる。どの関節をどのくらいの時間で動かすかを決める

 キットに添付されているソフトはとてもわかりやすい。小学生の高学年ぐらいであれば簡単に操作できると思う。プログラムもBASICライクな簡易言語なのでとっつきやすい。もっとも「プログラミングモード」以外にも、キーボードをリモコンスイッチとして割り付ける「キーダイレクトモード」もあるから、そちらを使えば誰でも操作できるだろう。



かんたんモード
「かんたんモード」。メニュー式で設定できるのでわかりやすい

 このキーダイレクトモード以外にも、「かんたんモード」「デモモード」「プログラムモード」で操作できる。
 「かんたんモード」は、メニューに従いながらロボット各部のアクションを選んでいくだけで、プログラムを自動的に組んでくれるモード。たとえばアクションとして指を動かしたいのであれば、「指」→「開く」→「時間パラメータの設定」→「動作決定」というように順次、メニューから選んでいけばいい。



DEMOモード
「DEMOモード」。DEMOモードのプログラムを元に時間のパラメータを変える

 デモモードは3つの動作を選択できる。DEMO1は「ものをつかんで持ち上げる動作」、DEMO2はDEMO1を2回繰り返す動作、DEMO3はDEMO2に加えて、センサがオンになったときに異なる動作をさせるプログラムとなっている。プログラムを実行する前に、ロボットアームの動作をビデオでシミュレーションしてくれるので、実際にどのように動くかが予想できて便利だ。また、フローチャートも表示できるので、プログラミングの基礎や考え方を学習する上でも参考になるだろう。



動作時間の設定はちょっと難しいかな?

 この制御キットを使えば、PCでロボットを簡単に操作できるようになるが、ちょっと注意しなければならないことがある。それはロボットの実動作範囲が限られていることだ。動作時間のパラメータ設定は、数字で何秒というように入力していくだけなので、実際にアームがどのくらい動くのか直感的にはわからない。あまり時間を長く設定しすぎると、必要以上にアームが動いてしまい、可動範囲を越えて途中でストップしてしまう。

 もちろん、指、ひじ、肩といった関節部にはクラッチが付いているので、可動範囲以上の動きをさせてもメカは壊れない。しかし、ギシギシと音を立てるものだから、本当に壊れてしまうのではないかと余計な心配をしてしまった。まあ慣れてくれば、だいたいこのくらいの時間に設定しておけば、どのくらい動くのか勘でわかってくるのだけれど……。


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