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帰ってきた!「買う買う団」
Palmユーザーは迷わず買え! 取材にも大活躍のPortable Keyboard

Printable Version 2001年1月17日

筆者:吉川大郎

買う買う団員プロフィール
吉川大郎
帰宅する頻度は「週に1日弱」という、ascii24副編集長。深夜に自転車でアスキーのある初台周辺から笹塚/下北沢/幡ヶ谷方面を徘徊している。最近はMDLP対応の「MD Walkman」を購入し、大量の音楽データをMD Walkmanに転送しては悦に入っているとかいないとか。ちなみに、2代目「買う買う団」団長。



初代買う買う団長
「買う買う団」の団長時代の吉川(写真右。DOS/V ISSUE 97年4月号より)

恥ずかしい事件が購入のきっかけ

 結論から先に言おう。このキーボード、「買い」だ。

Palm Computing Portable Keyboard

 記憶は定かではないが「Palm Computing Portable Keyboard」は、海外では数年前に登場していたようだ。「WorkPad」登場当時に雑誌の特集で見た記憶がある。そのときは「本末転倒じゃん」と思ったものだ。つい最近のPalm流行りでこのキーボードが日本語化(日本語ドライバが添付)され、雑誌広告に登場してきた時も「変だけどおもしろそうだなー」程度で、“キワモノ”として認識していたのだった。

 それでも私は、このキーボードを購入した。大きな理由は「バッテリ駆動時間が長くてガンガンテキスト入力できるデバイスが欲しい」という動機からだ。なぜバッテリ駆動時間が重要なのか? インタビューや記者発表の時に、話を聞きながらひたすらメモ(というよりもリアルタイムでテキストにおこす)をするためである。



C1とc3

 現在の、私のモバイル関連デバイスは、ソニーの「VAIO C1」(以下C1)と日本アイ・ビー・エムの「WorkPad c3」(以下c3)だ。現在市場に出回っているCrusoe搭載C1でずいぶん改善されたようだが、私のC1はバッテリが30分しか持たない。本来ならば、C1をモバイルのテキスト入力デバイスとしたいところなのだが、30分という持続時間ではいかんともしがたかったりする。

 それでもなんとか外出先で電源を確保したりしながら、C1を使っていた。そしてある日、事件が起こった。私はある記者会見場にいて、C1のバッテリを気にしながらメモを取っていた。とにかく壇上で喋る人の話をひたすら入力するのである。バッテリは30分しか持たないが、合計1時間程度の発表会ならば何とかなるかもしれない。一般的な発表会では、前半に説明が、後半にデモがあるため、前半だけ稼動すればいいのである。ところがお約束のように、話の山場でバッテリが切れた。バッテリ切れ自体は続きを紙に書いていけばいいのでそれほど大きな問題ではないのだが、なによりも沢山の同業者がいる中で恥ずかしい。

 その発表会の帰り、Portable Keyboardのことをぼんやり考えながら渋谷の某パソコンショップへ行ったら、カウンター前にたまたま積んであったのだった。まるで神様からのメッセージみたいに。しかも「ATOK Pocket」同梱で1万4000円程度。日本語入力の際、やっぱり気になるのがIME(というかこの場合FEPか?)だが、ATOKならば以前使っていたので安心だ。これで、c3を使って記者会見でもメモ入力ができる。もし業務には使えないキワモノだったとしても、1万4000円程度ならば許せる範疇。試してみるのもいいだろう、といった心境だ。このキーボードを買うと、

  1. 「いつでもどこでもテキスト環境」が手に入る
  2. 財布にはさほどダメージがない
  3. 日本語入力もATOKなので心配無用

といったメリットがある。心配なのはc3本体から電源を取る点。キーボードを繋いだとたん、急速にc3のバッテリが消耗したらどうしよう。とりあえず店員さんに聞いてみよう。もちろんバッテリの消耗度はケースバイケースだろうが、何か知っているかもしれないし。

私「あのー、このキーボードをc3に接続した場合ですね、バッテリはどの程度持ちますかね?」

店員さん「本体のバッテリが切れるまでです」

私「……」



キーボード本体
黄金パターンで購入したPortable Keyboard

 感動するくらい親切な店員さんだ。きっとものすごくシンプルな考え方をする人なのだろう。いや、私が話しかけた時点で、ほかのお客さんに高価な品物をすすめていたので、そちらのほうが気がかりだったのかもしれない。商売の邪魔をして申しわけありませんでした。ちょっと買う気は失せたが、渋谷ではおそらく一番大きなショップだし、わざわざほかの店に回るのも面倒なので購入した。別に最初からPortable Keyboardを買おうと思ってショップに行ったわけではないのだが、ぼんやりと品物のことを考える→ふらふらとショップに入る→目の前に実物が置いてある→しかもお買い得感が高い(今回の場合はATOKバンドル)→レジへ……、という黄金のお買い物パターンだった。
 こうなったら早く触ってみたい。普段ならば渋谷HMVでCDも購入して帰るのだが、その日はさっさと帰社したのであった。



買ったあと。セットアップはまったく楽ちん

 セットアップは何事もなく終わった。PCにCD-ROMを挿入し、キーボードドライバとATOKをc3にインストールするだけである。インストールはほかのアプリケーションなどと同様、Palm Desktopから行なう。

入力中

 そして使い勝手なのだが、もう、絶対、すごくいい! c3(もしくはPalm系デバイス)を所有していて、気楽にテキスト入力環境を手に入れたい人は買うべし! c3の見方がまったく変わってしまった。今までの私は、c3を活用する気など全然なかった。スケジュール管理とグラフィティで書き込める程度の短いメモ取り、そして取材先の住所や何らかのメモをクリップボード経由で貼り付けて持ち歩く(c3のメーラはメールの管理がメンドくさそうなので使っていない)程度。つまりc3はPCに格納された情報の一部を切り出して持ち歩くだけのデバイスだったのだ。

 それが、キーボードの出現でc3は重要な取材ツールとなってしまった。今現在、発表会場でもインタビュー現場でも、私はキーボードの上にc3をちょこんと乗せながらメモを取っている。それはやっぱり何となく恥ずかしいスタイルで、好奇の視線にさらされること必至なのだが、便利だからかまわない。ちなみに、Palm用のtelnetクライアントもあるらしいので、システム管理者の方は重宝するかもしれない。ただし、c3の場合はキーボードを接続すると外部インターフェイスが塞がってしまうため、通信はできなくなる。したがって利用できるのが「TRG Pro」やPHSつきの「WorkPad」などに限られるのは注意が必要だ。



ショートカットキー

 ところで、今まで長々と製品を買う以前の話をしてきたが、肝心のキーボードの使い勝手をお知らせしよう。キーストロークは3ミリ程度あって、個人的には十分だ。ノートパソコンと比べても深い部類に入ると思う。キーボードは慣れ親しんだ日本語配列ではなく英語配列なのだが、まぁそれほど大きな問題ではない。また、Palm用のキーボードということで、右隅に予定表やアドレス帳などデフォルトアプリケーションのショートカットキーがついており、これらは一発で呼び出せる。これがなかなか便利だ。また、「Fn」「Cmd」というファンクションキーとの組み合わせで、Palmで必要とされるほとんどの操作をキーボードから行えるようになっている。

 そして、みなさん気になるのがキーボードのギミックだろう。このキーボードは4つに折り畳んで持ち歩くのだが、見た目はものすごく華奢で、壊れるのが心配になってしまう。しかし、実際に使ってみると思ったほどヤワではない。持ち運び時は完全に外殻に覆われるので問題ないし、使用時は平たい部分に置いて使うので、可動部に負担がかかることはない。そもそも膝の上など不安定なところでは使えないので、壊れる可能性自体がグッと減る。ギミックについては、壊れることを心配するよりも、使う度にその秀逸さを楽しむべきだろう。ギミックの詳細については写真を参照していただければと思う。



折り畳んで運べるPortable Keyboard
運ぶときは折り畳んで。
ギミック
そして、使うときはボタン1つでこの通り。これがなんとも言えず格好いい

 以上のような理由で、キーボードのハードウェア面はほぼ満点だ。ちょっとした文句をいうならば、まずエスケープキーがないのが困る。さらにEnterキーが微妙な位置にあるので、Shiftキーと間違えてしまうこともあった(これは慣れが解決した)。心配したバッテリ切れだが、数時間程度の使用、少なくとも取材している限りでは問題ない。

メモ入力中

 ただ、キーボードはいいとして「キーボード+c3=テキスト入力ツール」というトータルなシステムとしてみると大いなる不満が出てきてしまった。それは、c3そのものの処理速度の遅さだ。“メモ帳”アプリケーションでガンガン入力をしていって文量が増えていくと、格段に画面表示速度が落ちるのである。結果、2分前に入力した文字が、今ごろ出てくる、といった事態が起こる。メモ帳ファイルが全角500文字を越えるあたりで、かなりイライラさせられる。Palmの代表的なエディタである「QuickWord」を使っても解決されなかったところを見ると、この問題はどうやらc3の処理能力に起因するもののようだ。

 解決方法は一応ある。ある程度メモ帳ファイルが大きくなったらそのファイルは終了し、新規にメモ帳ファイルを作ってそれに続きを書けばいいのだ。まあ、Palmをワープロ代わりに使う人間なんて限られているだろうからこれは仕方がないか。一定量テキストがたまったら、自動的にファイルを終了して、新しく起動してくれるソフトがあればいいのになあ。
 それから、問題点というわけではないのだが、ATOKが大きいのには参った。1.3MBもあるのだ。ユーザーエリアが2MBしかないc3にとって1.3MBは、ちょっと痛い。まぁ、メモリを増やせば事足りるのだけれど。


 とにかく、無駄なお金をかけずに、Palm系デバイスをテキスト入力デバイスに変換させたい人には、絶対に絶対におすすめの一品なのである。手持ちのPalmデバイスが、いっそうかわいくなること間違いなしなのだ。




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