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ガス冷マシン完全自作編 〜その3〜

Printable Version 2001年3月21日

 前回設計したガス枕は、構造上それなりの加工精度が要求される。工作機械なしではとても手作りできる代物ではないので、実際の加工は機械店にお願いした。
 今回は、いよいよその完成品を組上げて動作させる。ある程度は覚悟していたことではあるが、案の定トラブルが続発。ガス冷の道は深い。予定通りの性能が発揮できるのか、それとも爆発して木っ端微塵になるのか? まずは単体での試運転をしてみよう。

■機械加工業者さんに部品を発注

予想以上の精度で出来上がってきたガス枕コア。銅の丸棒から削り出し

 設計したエバポレータは、銅製のコアとアクリル製のケースをゴム製のOリングでシールするハイブリッド構造のガス枕だ。こんなものを作ってくれる会社は何処にあるのだろうか? 心配するなかれ、我が国は工業立国。町工場の技術レベルは世界トップクラスなのだ。前回設計した程度の部品であれば大抵の機械加工業者で製作を請け負ってくれる。当研究所近郊の川崎工業地帯の町工場でも、ボールペンのゴムグリップの挿入ジグから原子炉、H2ロケットの部品までありとあらゆる工業製品が生産されている。簡単な仕事は人件費の安い海外へ行ってしまっているので、国内の業者はどんな小さな町工場でもスーパープロフェッショナル。機械加工可能なものなら、およそ何でも作ってくれてしまうのだ(ただし金額は別にして…)。



コア上面

 実は設計段階で最も苦労したのは、お安く製作しもらうために、いかに単純な構造にするかということだったのである。さっそく製図した図面を機械店に持ち込んだ。だいぶ無理を言って、さらにおがみ倒して納期約10日で請け負っていただいた。製作料金はアクリルケースが1万1500円、コア部が1万6500円(税別)。そんなわけで約束通りの部品が出来あがってきたのだが…。




完成したアクリルケース。透明に加工してもらうのが大変だった。アクリル丸棒から削り出し。

仮組みしたガス枕

バックアップのガス枕。できることなら使いたくない

■ろう付けすると真っ黒に!!

ろう付けの道具。当研究所玄関先に耐火レンガを並べて急遽作ったろう付け作業場。他人に見られると怪しさ満点なので、人目を忍んで夜中に作業

 まずは出来上がった部品をご機嫌で仮組みする。ピカピカの削り出し部品と透明のアクリルがマッチして美しい。予定通りケースとコア部はぴったりかみ合って大変良い具合だが、ここで大変なことに気づいてしまった。コアの固定用に開けておいたネジ穴がOリング溝に微妙に干渉して気密性に問題がでてしまったのだ。早くも設計ミスが露呈して「ヤバイ!! 何とかごまかせ」ということで慌ててロウ付けでネジ穴を埋めることにする。

 しかし、いざろう付けしてみると、バーナーの火力が足りなくてロウが溶けてくれない。あせった筆者は火力アップのため2個目のバーナーを買いにホームセンターへ走る。バーナーは1980円(税別)。カセットコンロ用の安価なボンベが使用できるもので、パッケージにも「各種ろう付け、半田づけに」とある。バーナーを2個使用して、銅製の本体がほのかに赤くなるまで熱するのにおよそ5分。ろう付けはよく熱してから、さっとろうを流し込むのがポイントだが、この間熱せられた銅が周囲の酸素と反応して真っ黒こげになってしまった。冷めるまで放っておくと外側に薄皮のような酸化皮膜ができてしまい、ピカピカの削り出し部品が小汚い塊に変化して何とも悲しい。「機能的に問題がなきゃ見栄えは二の次さ」と心の中で言い訳しつつ、やっとのことでろう付けが完了した。しかし問題はここからだった…。




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