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ガス冷マシン完全自作編 〜その1〜

Printable Version 2001年1月23日

■除湿機を分解する

型式を表す名板

 リサイクルショップで入手した除湿機は、本体裏のラベルから、推定1991年以降製造の松下電器(株)のマレーシア製。冷媒にR12を140g使用した消費電力150W(50Hz)のコンプレッサーを搭載しているようだ。普通に電源を入れてみると正常に除湿運転ができる。壊れてはいないようで、まずはひと安心。本体カバーを止めているネジ類を手当たり次第に外す。カバーを外すと中からコンプレッサー、熱交換器などが高密度に絡み合った塊が出てくる。中古品だけあって恐ろしく汚い。埃がびっしりこびりついているので掃除機を片手に掃除しながら分解していく。分解しながら気づいたのだが、さすがに大手メーカー製だけあって各パーツがドライバー1本で取り外すことができる。電装品のケーブルも全てコネクタで接続されていて、最終的に必要な部分だけを取り外しても、やる気になれば完全に元通り組み立てが可能な構造だ。家電製品というのはこういうものなのだろうか。並のPC以上に洗練された機構部品に感動しながら、必要部品の回収が完了した。




蓋の裏にあった電気回路図

型が古いためかマイコン制御のような複雑なものではないので理解しやすい。湿度と温度センサーがついているようだ

電磁バルブ。温度センサーと連動して予備運転が完了すると作動する(らしい?)電磁バルブ。これは是非とも流用したい

■冷凍機の構造

 冷凍機が温度差を作り出せるのは、気体の気相変化に伴う潜熱を利用するためである。液体が蒸発する時には、気化熱を奪って温度が低下する。気化しやすい液体を発熱体に接触させれば温度を奪って気化するわけだ。これをコンプレッサーで圧縮すると再び液化し、高温・高圧の液体となり、空気で冷やしてから気化室に送り込むことによって連続的な熱交換を行う。冷蔵庫やクーラーも基本的には同じような構造だが、常用する到達温度が異なるために、配管や熱交換器の形状が違うらしい。要はコンプレッサーのお陰で永遠に吹き出しつづける液化ガスボンベを手に入れることができるのだ。電気さえ供給してやれば永遠に吹き出しつづける魔法のガスの泉が、中古とはいえ、わずか3,000円で入手できるなんて量産品というのはなんと素晴らしいのだろう。これは絶対に自分では作れないものだ。工業生産品ってのは偉大です(使えるものはなるべく流用しようと今更ながら決定)。

■除湿機解剖

内部構造その1。ノートPC並の集積度(?)。これでもかというほどの密度で部品が押し込まれ、隙間を縫うように配管されている。配管は全て銅製で接合はロウ付け

 むき出しになったコンプレッサーと熱交換器、配管類の複合体を観察して構造を調べる。コンプレッサーは予想以上に小さく、高さ15cm直径約9cmの円筒形。そこから直径約5mmの配管がくねくねと伸びて、18cm角、厚さ4cm程度の熱交換器2つを経由し、コンプレッサーに戻っている。熱交換器は冷え側と放熱側の二つがあり、途中の配管が細く長くなっている。このクラスの小型冷凍機では、圧力の調整にバルブは使用せず、キャピラリーチューブと呼ばれる長い細管の圧損を利用して圧力差を作り出す構造になっているらしい。むき出しの状態で運転してみると2つの熱交換器の一方が高温になり、もう一方が見事に冷える。この冷え側熱交換器を小さくしてCPUに取り付ければCPUを強制的に冷却できるわけだ。しかしここから先は内部に高圧ガスが詰まっているのでそう簡単には手出しができない。冷媒の性質やコンプレッサーの性能に合わせてガス枕を設計しなければならないのだが、ガスの特性を調べているうちに予想外の問題にぶち当たってしまった…。




内部構造その2

内部構造その3

熱交換器。むき出しになった冷却側と放熱側熱交換器。冷却側をエバポレータ、放熱側をコンデンサと呼ぶ。エンジンのラジエーターに似ているが、耐圧強度が大幅に違う。冷蔵庫にはコンデンサがついていないものが多い。放熱側はそのまま使って、冷却側をガス枕と交換する。

まゆ型をしたタンクのようなものがアキュームレータ。液化したガスをいったん貯めておくためのリザーブタンクのようなもの。これは冷蔵庫にもついている

グルグル巻いてあるのが、配管の途中で圧力差を生み出すためのキャピラリーチューブ。流量を絞るほど圧力差が大きくなり温度差も大きくできるが、その分輸送熱量が低下する。この機械は除湿機であるため、予備運転後はこのチューブをバイパスする構造になっているようだ。

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