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静音コンパクトマシン完全自作編 〜その3〜

Printable Version 2000年12月29日

 小型マシンを製作する上で難しいのは、いかにして効率良く冷却するかということだ。CPUクーラーを取りつけるスペースが限られるうえ、空気の流れる空間も狭い。安定動作のためにはケース内部に熱がこもらないような工夫が必要になる。



 しかし逆に、空気の流れをしっかり作るには内部に余分な隙間がないことが、かえって好都合な場合もある。要は冷たい空気を吸い込んで温まった空気がところてん式に押し出されるよう空気の通り道を作れば良いのだ。そう考えるとヒートシンクの上にファンをつけるよりも、横につけた方がいい。またその方が、より大きなヒートシンクを利用でき、空気の流れも良くなる。
 今回は、ケース全体をダクトとするのはあまりにも大改造になってしまうので、ケース内にダクトを作ることによって、空冷・冷却を考えてみることにした。



空気の流れを考えてダクトを採用

完成したダクト式CPUクーラー

 まず、問題になるのがヒートシンクである。各パーツの仮組みをして全ての部品が無事おさまることを確認した上で、ケースの高さにおさまるヒートシンクを捜す。CPUソケットからケース天板までの高さを採寸すると約38mm。吸音材等の厚みを考えると高さ35mm前後のヒートシンクが望ましい。ノギスを片手に我らが研究所のジャンクパーツを漁ると、当時としては膨大な発熱のためクーラーを選ぶ難物CPU、K6-233MHzの冷却に活躍していたAVC製のSocket7用CPUクーラーのヒートシンクが、高さジャスト35mmである事が判明した。Socket7用クーラーだけにSocket370のPentium IIIに使用するのは少々不安ではあるが、金具のCPUコア直上あたりに5mm角程の薄いゴム片を挟むとあら不思議。ぴったり収まって実に具合がいい。このヒートシンクを採寸して同じ幅に0.3mm厚のアルミ板を加工し、箱形のダクトを被せる。ダクトとヒートシンクの接合には編集部より拝借した静音グッズ「防振・防音クリアゲルテープ」(まんま直球勝負のネーミング)を使用した。




板厚0.3mmのアルミ板を使用。普通のカッターで2、3回切れば切断できる。折り曲げるところには軽く溝を入れておくと綺麗に折れ曲がる

ヒートシンクに防振ゲルシートを両面テープで貼りダクトを取り付ける。ファンを立てると高さ方向でケースの蓋に干渉するので、斜めに設置する。チップセットにも風があたり一石二鳥だ

写真左はゲルタイプで右は鉛テープ。防音と聞いては黙っていられない。編集部にあった物をちゃっかり拝借

暖めると柔らかくなる不思議な接着剤、ホットボンドでコネクタ、パネル等を固定する。ガンはホームセンターで1,000円前後で売っている。市販ケースのLED等の固定にもよく使用されている

がたつきそうな部分に防振鉛シートを貼りつけて固定。内部は寿司詰め状態でケーブル満杯

内部を包み込むように防振フエルトを内張りする。うすうす気づいてはいたのだが、この製品はやはりスピーカー等の用途に向いているようで、それほど強力な消音効果があるわけではないような気がしてしまう

電源投入準備完了

 長かった…。文字にしてしまうと一瞬の出来事だが、ここまでくるのに約30時間の加工。まだちっとも動かしてない静音マシンだが、なんとも言えない愛着が湧いてくる。ケーブルを全部繋いでシステムディスクを入れて、いざスイッチON! 緊張の一瞬だ。もちろんヤバイ匂いがしたらすぐ電源を切れるよう片手はコンセントを握る。ボチュという音と共に電源が投入されるとディスプレイに文字が流れ、静音マシンが起動を開始する。「おお〜、バッチリぢゃないすか〜」。BIOSの設定を変更してWindows98をインストールしていく。動作は安定して全く問題はない。が、しかし、嬉しさが収まってきた頃、致命的な問題に気がついてしまった。「ダメだ! こんなハズではなかったのにぃぃ!!」。そう、ウルサイのだ。吸音材に8,000円もつっこんだのに、無情にもはっきりと識別できるレベルの騒音がケース全体から聞こえてくる。音源を探ってみるとCPUとケース排気用の二つの5cm角ファンが元気良く騒音を発している。小型ファンなら静かだろうとたかをくくっていたのが敗因だった。これではメインテーマの静音が全くクリアできない。「待てよ、どうせ原稿を読んでも音は聞こえないんだからバレないぢゃん」という悪魔の囁きが一瞬聞こえて…。すっすみません。そんな事は考えません(汗)。既に電源別置きという半分反則をしてこの有様では寝覚めが悪い。何とかしなくては。なんとかします。なんとか…。


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