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超静音設計をうたうSeasonic製ATX電源ユニット「SS-300FS」(前編)

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 パソコンを自作しようと思った場合、まっさきに悩むのがCPUやメモリ、マザーボードといったパーツ。事実、これらは気になるアイテムであり、システムにとっては重要なパーツではあるが、意外と軽視しがちなのが原動力とも言うべき電源ユニットだ。ケースバイケースだがCPUのアップグレードは進めるものの「電源は?」と聞くと「昔に買ったケースに付属していた無印の電源ユニットを流用」という回答を耳にすることも多い。安定したシステムを構築するなら、電源ユニットにも是非こだわってみたいものだ。

 最近の自作系パーツのひとつのブームとして上げられるのが「静音」。騒音レベルの低いCPUファンが好まれたり、数多くの防振・制振グッズが販売されるようになるなど、静音ブームを象徴する現象が、秋葉原を中心とした電気街でおきている。電源もその流れを受け、ひと昔前に比べると静寂性をウリにする製品がずいぶんと増えてきた。

品番 SS-300FS
規格 ATX2.03
対応システム Pentium4-2GHz Athlon-1.4GHz
許容電力 300W
特徴 S2FC回路による静音可変速ファン採用
FDD用出力コネクタ 2
ドライブ用出力コネクタ 7
ATX+12V出力コネクタ(リード長) 1(55cm)
AUXコネクタ(リード長) 1(55cm)
ATX出力コネクタ(リード長) 1(55cm)

 オウルテックが販売するSeasonic製ATX電源ユニット「SS-300FS」は、Pentium4やAthlonプロセッサを搭載するパソコンシステムに対応しているだけでなく、静音をウリモノにした製品。特徴は、S2FC(Smart&Silent Fan Contorl)と呼ばれる制御回路を搭載し「超静音設計」とうたっていることだ。

出力電圧及び許容電流
+3.3V +5V +12V -5V -12V +5V SB
28A 30A 15A 0.5A 0.8A 2A
MAX.180W MAX.9.6W

■電源を分解

 では、「SS-300FS」の内部がどのような設計になっているかさっそく分解してみよう。ケースを取り外すと(ユーザーはマネをしない方が無難だが)一見ごく普通の電源ユニットとさほど変わりはない。しかし、2つあるヒートシンクのうちファンに近い方の大型ヒートシンクにファンコントロール用の温度センサーが取り付けられている。位置はファンの吸い込み口付近にあり、電源ユニット内部の温度を感知するには好都合だ。このヒートシンクは出力電圧を制御する3本のスイッチング素子を冷却するためのものであり、それらがヒートアップした場合にもセンサがキャッチできる配慮がなされているようだ。そしてセンサの抵抗値に応じてファンコントロール回路がファンの回転数を決定するという流れだ。ちなみに他社の電源ユニットを見てみると温度センサーの位置は外気取り入れ口付近や電源ユニットの出力制御回路付近に埋め込まれているもの、そしてそれらがヒートシンクに接触しておらずむしろ中央部に伸びているものなど様々である。


「SS-300FS」。写真中央、緑色の素子がヒートシンクに押しつけられている。それがSS-300FSの温度センサーだ

A社製電源。写真中央に灰色のリード線(センサー用)が2本、コイルとコンデンサの根本に向かって配線されている

B社製電源。左側ヒートシンクの根本に青い素子が見える。それが温度センサーで、電源ユニットの外気取り入れ口にある

C社製電源。写真中央、基板上にTH-1と印された素子が温度センサーだ。ファンの吸い込み口付近に単独で立っている

 なお、SS-300FSをケースに組み込まず単独で動作させてみると、電源を投入するとファンに供給されている電圧は4.8Vほどで定格電圧12Vのファンにしてみればどうにか回転できる最低の電圧に近い。当然、ファンの動作音(風きり音)は耳を近づけてみないと聞き取れないほどに静かだ。試しに騒音計をファンに向けてみたが計測環境下におけるホワイトノイズレベル以上にメーターを振らすことはなく、同じボールベアリングファンを採用している他社(一部)の電源ユニットのように「ジー」というベアリング音は聞き取れなかった。


「SS-300FS」の無負荷時におけるファン電圧を測定してみると…

ファンの回転数は磁気センサーで計測した

磁気センサーの信号波形からファンが一回転するのに要する時間は約43mSで一分間に1395回転となる

■温度と回転数の変化

 次に300Wクラスの静音仕様をうたう4社のATX電源を取り上げ、周囲温度の変化に対応してファンの回転数がどのように変化するかを調べてみた。測定方法は次の通りだ。電源ユニット内部のセンサーが感知している温度を把握できるように、デジタル温度計のセンサーをその隣に配した。そして電源ユニットからファンを取り外して一枚のプロペラにテープで小さな磁石を固定。ヒートガンでセンサー周囲の温度を意図的に上昇させつつ回転するファンに磁気センサーを近づけて計測したパルス信号から回転数を割り出している。

 グラフからSS-300FSは他社の製品に比べてファンの回転数を変速しはじめるセンサ温度が最も高い。つまり、ファンの回転数が低い状態をできるだけ持続させていることが予想できる。上昇カーブは急激ではなくなだらかな特性でファンのスピードを増し、感知温度が53℃を超えるような状況では最高回転数に向かって速やかに加速する特性を持たせている。参考までに他社のグラフをみると、A社製電源は30℃〜35℃に至る過程でファンは最高回転数に達してしまう。このグラフを単純にみるとどうやらLow/Hiの切り替え回路があるだけの仕様かと推察できるのだが、もしかするとセンサ温度を正確に捉えられなかった可能性もあるので参考値として欲しい。またB社製電源も30℃から35℃に上昇する時点で変速しはじめて約50℃を超えると最高回転数となるが、それまではほぼリニアな特性を示し微妙に変速している。一方、C社製電源は35℃を超えたあたりから徐々に回転数を制御しており、グラフの曲線はSS-300FSに似ているものの回転数が約20%ほど高回転となっている。したがってそれなりに風切り音も大きいと言えるだろう。(第2回に続く)

その他の製品の詳細スペックはこちら

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(KAZ)





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